松平健演じる時代劇『暴れん坊将軍』の主人公のモデルとしても知られる、江戸幕府の8代将軍の徳川吉宗が将棋好きで、毎年11月17日(旧暦)を「お城将棋、および、御城碁の日」として御前対局を行なっていたことから、日本将棋連盟が11月17日を「将棋の日」として1975年に制定しています。その「将棋の日」にちなんで、いくつか“将棋ソング”を挙げてみましょう。
やはり、多くの人が最初に頭に浮かべるのが、
村田英雄の「王将」ではないでしょうか。“吹けば飛ぶよな将棋の駒に”の名フレーズで始まるこの曲は、1961年にリリース。大阪出身の将棋棋士・坂田三吉をモデルとしており、当初から関西圏では人気を博していましたが、村田が初出場となった同年末の『NHK紅白歌合戦』で歌うと、全国的にヒット。半年で30万枚を売り上げ、その後も当時150万超、最終的には300万超を売り上げるなど、戦後初のミリオンセラーともいわれる記録的なヒットとなりました。
美空ひばりが1970年にリリースしたのが「人生将棋」です。同年末の『NHK紅白歌合戦』で“大トリ”を務めた際に同曲を歌っています。また、美空は紅組司会も担当していました。
ライフワークともいえる、タイトルが漢字一文字の“一文字シリーズ”でも知られる
北島三郎ですが、将棋について歌ったのが「歩」です。1976年に発表されたこの曲は、王将よりも歩のこころを持ちたい、いつか“と金”で大暴れしてやるという、地味な歩を自身の人生になぞらえた、意地を示した歌となっています。
そのほか、石原裕次郎「王将・夫婦駒」や細川たかし「
人生夢将棋」など、演歌・歌謡界に多い将棋ソングですが、ロック・シーンにも将棋ソングはあります。
ユニコーンのキーボードを務める
ABEDONが、本名の阿部義晴名義で発表したのが「SHOWGI MASTER」です。1992年にユニコーン時代の連続ソロ作品リリース第3弾としてリリースされた阿部のソロ・デビュー・シングル「
+OR−」のカップリングに収録されたアップ・テンポの曲で、作詞は
電気グルーヴが手掛けています。
ミュージカル俳優の
海宝直人が小山将平、西間木陽と組んだロック・バンドの
CYANOTYPE(シアノタイプ)は、「将棋の神様」という楽曲を発表しています。同曲は2019年リリースのCYANOTYPEの1stアルバム『
MONTAGE』に収録されています。
(写真は2018年リリースの美空ひばりのアルバム『
全曲集 人生将棋』)