1797年10月22日、フランスのアンドレ=ジャック・ガルヌランが、パリ上空約900メートルの高度の気球から絹製の傘のようなもの(パラシュート)と一緒に飛び降り、着地に成功しました。この世界初のパラシュートによる人間の降下成功を記念して、日本落下傘スポーツ連盟が10月22日を「パラシュートの日」に制定しています。
水素気球の発明者ジャック・シャルルの弟子で、ナポレオン戦争初期に捕まり、ハンガリーのブダで3年間捕虜生活を送っていた際に、脱走の目的でパラシュートを構想したというガルヌラン。当初のパラシュートには頭頂部に穴がなく、気流で危険な横揺れを起こしていたものの、改良を重ね、5年後の1802年にはガルヌランが2,400メートルからの落下に成功しています。なお、パラシュートは、イタリア語の“parare”(守る)とフランス語の“chute”(落ちる)を組み合わせた造語となっています。
その「パラシュートの日」にちなんで、“パラシュート・ソング”をいくつか紹介していきましょう。そのままズバリ「パラシュート」というタイトルの楽曲は、
長渕剛 や
LINDBERG 、
電気グルーヴ 、
たま 、
オシリペンペンズ 、
在日ファンク 、澤部渡のプロジェクトの
スカート 、声優の
佐々木望 などが発表。
氷室京介 は2010年のアルバム『"B"ORDERLESS』にて、
TAKURO (
GLAY )が作詞を手掛けた「PARACHUTE」を、
久保田利伸 や
米米CLUB 、
平井堅 らのバックコーラスとしても知られる
AMAZONS は「Parachute 〜もう一度 In My Heart〜」を歌っています。
1984年にデビュー・シングル「モニカ」で颯爽と登場した
吉川晃司 が、同年にリリースしたのが1stアルバム『
パラシュートが落ちた夏 』(写真)です。同作にはタイトル曲「パラシュートが落ちた夏」や「モニカ」をはじめ、
佐野元春 、
原田真二 ら豪華作家陣が参加した楽曲が並んでいます。
同年に、
堀ちえみ の11thシングル「東京Sugar Town」にカップリングされたのが「I Love Youはパラシュート」です。堀が初出場した『紅白歌合戦』で歌唱した「東京Sugar Town」と同様、作詞・三浦徳子、作曲・
芹澤廣明 のコンビが手掛けています。
のちに「Lovin' You」でヒットを放つ
横山輝一 が、1988年に発表したのが「夢のパラシュート」です。シングル「Truly」のカップリングやアルバム『
PRESSURE 』などで聴くことができます。同年には
松浦雅也 と
CHAKA によるニューウェイヴ・ユニットの
PSY・S (サイズ)が5thアルバム『
NON-FICTION 』にて「Parachute Limit」を発表。2ヵ月後にはシングル「Parachute Limit 〜パラシュートの時間〜」としてリカットされています。
1992年には岡村靖幸が16thシングルとして「パラシュート★ガール」を発表。CHARAがゲスト・ヴォーカルに参加したこの曲は、『
禁じられた生きがい 』『
岡村ちゃん大百科 』などのアルバムでも楽しめます。
翌年には“3M”の一角、牧瀬里穂が3rdシングルとして「
涙のパラシュート 」をリリース。秋元康作詞、後藤次利作・編曲という黄金コンビが手掛けたこの曲は、デビュー・シングル「Miracle Love」などとともに1stアルバム『PS. RIHO』に収録されています。
「涙のパラシュート」という曲名は、1988年にアニメ映画『めぞん一刻 完結篇』主題歌「硝子のキッス」でデビューしたアイドル、
姫乃樹リカ が1stアルバム『Fairy Tale』にも登場。姫乃樹は2019年に音楽活動を再開し、2023年には姫乃樹リカ with THE COMING SOON!名義でシングル「Love Song〜僕たちの歌」をリリースしています。
2001年には
CHAGE and ASKA が42ndシングルとして「パラシュートの部屋で」をリリース。三井住友海上火災保険のCMソングや、フジテレビ系『金曜エンタテイメント』オープニング・テーマに起用されました。
近年では、“僕青”こと僕が見たかった青空が2023年にリリースしたメジャー・デビュー・シングル「
青空について考える 」のカップリングとして9名のユニット曲「制服のパラシュート」を発表。翌2024年には僕青結成1周年を記念して「制服のパラシュート」のミュージック・ビデオも公開されています。
そして、タイトルに“パラシュート”はありませんが、“パラシュートソング”として挙げておきたいのが、
沢田研二 の「
TOKIO 」。TV番組にてバックバンドが隠れるほどの紅白縞模様の大きなパラシュートを背負って歌った姿は、当時のお茶の間に強烈なインパクトを与えました。Spotifyでは640万再生超を数えるなど、今なお人気曲として愛聴されています。
VIDEO