ギタリストの大竹 研を中心とし、台湾での活動も行なうインスト・トリオ、東京中央線。セカンド・アルバムとなる本作は台湾のサックス奏者、謝 明諺をゲストに迎えての録音。遊び心にあふれたジャズ・ファンクやホロリとさせるバラードはポップで力強く、プレイヤーの体温が伝わってくる。

東京中央線は大竹 研(g)、早川 徹(b)、福島紀明(ds)から成るトリオ。台湾と日本で活動することが多く、本作の録音も台湾で。全９曲、すべてメンバーのオリジナル。亡きドラマー、古澤良治郎のスピリットを受け継いだ音楽というのが特徴。つまり人間くささとジャズの枠にとらわれないスタンス。

サックスを先導に執拗に繰り返される複雑な音を孕んだ響きに、ほかの２者がそれぞれに触発反応。時にシミュレートし、まったく違う音の形を仕掛け、音を止めて沈黙に委ねながら音の姿を徐々にと変化させ、一体のエモーションを醸成していく。その反応の速さ、情動を重畳させていく緊密さ。凄まじき即興ライヴ！

55年が過ぎて初めて世に出たジョン・コルトレーンの未発表作品。音源は最初の妻ナイーマが保管していた7インチのオープンリール・テープ。インパルス時代の黄金のカルテットによる録音で、強烈な推進力を示すパワーと精神性はコルトレーンそのもの。音質も良好。

強烈なライヴ演奏を繰り広げていた1963年当時のコルトレーンによる未発表のスタジオ音源が、2018にまさかの公式リリース。変則的なトリオ編成で臨んだ名曲「インプレッションズ」をはじめ、貴重な録音が並ぶ。