イタリア人のシャイーが、バッハゆかりの地ライプツィヒのゲヴァントハウス管や聖トーマス聖歌隊を率いた「マタイ受難曲」。何よりもオーケストラ、合唱団、そして声楽陣の清廉な声が響き、至純な世界が現前する。

癒しの音楽であり、クラシック音楽の原点ともいわれるグレゴリオ聖歌を、ウィーン・ホーフブルクカペルレ・コーラルスコラが1974年のヴァティカン版ミサ聖歌集に基づいて歌った重要作。グレゴリオ聖歌の中でも有名かつ音楽的な楽曲が収められている。

ピリオド楽器派とは一線を画す演奏だ。ショルティ、シカゴ響によるバロックとヘンデルのメサイアは、幾分オペラチックに、ドラマティックに響く。キリ・テ・カナワをはじめとする歌手陣も、優れた歌を聴かせている。

匿名の依頼主からの依頼によって制作するも、モーツァルトの死により未完となったことでも知られる「レクイエム」。ジョン・エリオット・ガーディナーのもと、あるがままの形で真摯に歌い上げた名演を収めている。

ラトビア出身のメゾソプラノ歌手、エリーナ・ガランチャによる個人的かつ詩的なコンセプト・アルバム。夕暮れから夜明けまでの“夜”の情景や感情をテーマにした歌曲が、オーケストラ、ピアノ、ギターなど多彩な編成で綴られている。