マルチ・リード奏者のレジェンド、ローランド・カークが1963年11月に米ニューヨークで行なったライヴ。ドキュメンタリー映画用に録音されるも公開されることなく、2025年に発掘されたまさにファン垂涎の一枚だ。

国内ジャズ・ギターの祖と言っても過言ではない中牟礼貞則が御年90を超えて制作した完全ソロ・ギター作。一つのオリジナル曲を除いてスタンダードで構成されており、一音一音から年輪の重みを感じ取ることができる。

東京を拠点に活動するオーストラリア出身のジャズ・ベーシストによる2025年のリーダー作。日本のシーンを牽引する石若駿と渡辺翔太を迎え、トリオというオーソドックスな編成でアコースティック・ベースに集中したアルバム。

70年代も後期になり、ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズがハードバップ回帰を示したアルバム。「マイ・フーリッシュ・ハート」のような人気曲のほかにエリントン・メドレーなどもあり比較的とっつきやすい一枚だ。

アート・ブレイキー率いるビッグバンドによる80年のライヴ。1曲のみノース・シー・ジャズ祭の音源で、残りはモントルー・ジャズ祭。ロビン＆ケヴィンのユーバンクス兄弟やブランフォード＆ウィントンのマルサリス兄弟も参加している。

かつてジャズ・メッセンジャーズのメンバーだったフレディ・ハバードが再びブレイキーと共演した88年作。亡くなる2年前のブレイキーは難聴を患っていたと言われており全盛期のキレはないものの、再会セッションとして価値はある。

フィンランドの名サックス奏者が83年と91年に本場ニューヨークで行ったセッション音源。アウトテイク集ではあるものの、ランディ・ブレッカーからジョンスコ、ジャック・ディジョネットまで錚々たる顔ぶれのハイレベルな演奏が楽しめる。

アメリカ人ピアニストのウォルター・ノリスが、ハンガリーのベース奏者であるアラダー・ペゲとのデュオで出演した1978年のジャズ祭の実況録音盤。流れる水のようにスムースなピアノ・プレイとそれにうねりを加えるベースの妙味を楽しめる。

チャーリー・パーカーと共演したピアノのウォルター・ビショップJR.が90年代にメモリアル・バンドを率いて録音したタイムレス盤。パーカー役を演じるサックスのハロルド・ジェフタを含め、メンバーのリラクシンな演奏が印象的。

エンリコ・ピエラヌンツィが84年にタイムレスに遺したリーダー作。「オール・ザ・シングス・ユー・アー」をはじめとするスタンダード曲をマーク・ジョンソンを含む一級のトリオで巧みに料理。ビル・エヴァンスのファンにもおススメ。

高評価を得た「シンバ」に続くオドネル・リーヴィのリーダー作。タイトルが示唆するとおりよりファンク色を鮮明にしたアルバムで、ファンの評価は分かれるものの、カヴァー曲のチョイスにはセンスの良さがみられる。

知る人ぞ知るオランダのサックス奏者が、70年代末に同国のタイムレス・レーベルに吹き込んだ一作。ベルギーのピアニストであるミシェル・エールらのトリオをバックに朗々としたブロウを披露したワンホーン・セッション。

名唱として知られる、タイトル曲をはじめとする名演を収めたクリス・コナー屈指の名盤。アンサンブルは全体的に思いのほか控えめながら、そのぶんコナーの深みのある歌唱を余すところなく楽しむことができる。

ケヴィン・マホガニーが名門のWDRビッグバンドをバックに朗々と歌ったアルバム。チャールス・マクファーソンらソロイストも伴ってミンガスの音楽に取り組んだもので、歌ものとしてもビッグバンドものとしても楽しめる一作。

マイルス・デイヴィスとの共演で知られるサックス奏者が、90年代前半にオランダのチャレンジ・レーベルに遺した一枚。奇をてらわずラリー・ウィリスのピアノ・トリオとのインタープレイを楽しむゲイリー・バーツの姿を捉えた作品。

オランダのトランペッター、シーズ・スマルを中心とするコンボが80年代半ばにタイムレス・レーベルに遺したアルバム。「ジャスト・フレンズ」をはじめとする有名曲をとりあげており、ヴォーカルもフィーチャーしていることから非常に聴きやすい。

シダー・ウォルトンが85年にオランダで録音したタイムレス盤。全曲メンバーのオリジナルで構成。ビリー・ヒギンズらとのトリオによるオーソドックスな演奏ながら技術的な高さは言うまでもなく、ベースも含めてソロの見せ場もたっぷり。

シダー・ウォルトンのピアノとロン・カーターのベースによる81年のデュオ録音。いつも以上に肩の力が抜けたカーターのプレイは聴きもので、デュオ録音ならではのレイドバックした雰囲気が、得も言われぬ心地よさを醸し出す。

アラン・ホールズワースやスティーヴ・ヴァイのような変態的センスが印象的なギタリストによる83年のアルバム。エディ・ゴメスやボブ・モーゼスといったフレキシブルなメンツと特異なフュージョンを構築している。

刺激的なジャケでも話題になったジミー・マクグリフの1971年録音作。二人のギタリストをフィーチャーするなどグルーヴ・マスターぶりを遺憾なく発揮しており、ステディなドラミングも随所で大きな役割を果たしている。

グルーヴィなジミー・マクグリフのオルガンを浴びるように聴くことのできる2枚組。クセになるほどシンプルなブルースで幕を開け、濃厚なファンク・グルーヴが展開される。淡々としたベースラインも本作の魅力となっている。

ジミー・レイニーとジム・ホールという通好みのジャズ・ギタリストが、メインストリームというマイナーレーベルに遺した一作。フロントを飾ったズート・シムズも大きな魅力ながら、やはり二人のギターを聴き比べて愉しみたいところ。

フィリップ・ヴェネマンをはじめとするベルギーのミュージシャンで構成されたジャズ・サークルによる82年作。同郷の世界的スターであるトゥーツ・シールマンスの参加により、独特の音風景を展開している。

70年代から2000年代まで息の長い活躍をしたジャズ・ギタリスト、ジャック・ウィルキンスが1973年にメインストリーム・レーベルに遺した最初のリーダー作。ベースとドラムのみを伴ったシンプルな編成で骨太かつテクニカルなプレイを披露している。

テナーサックスからフルートまでをこなす、ジョー・ファレルの魅力あふれる83年のリーダー作。ルイス・ヘイズのハードドライヴィングなドラムが牽引するアンサンブルの中で、流れるようなフレージングを披露する快作だ。