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モア・イーズ&クレア・ラウジー共演作『no floor』、岡村詩野とよろすずのライナーノーツ抜粋が公開

2025/03/14 17:10掲載
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モア・イーズ&クレア・ラウジー共演作『no floor』、岡村詩野とよろすずのライナーノーツ抜粋が公開
 長年共演を重ねてきたクレア・ラウジー(claire rousay)とモア・イーズとの新たなコラボレーション・アルバム『no floor』が、海外ではアナログ盤のみのフィジカル・リリースだったところ、日本でのみCD化。音楽ライターの岡村詩野と音楽家のよろすずによる読み応えのあるライナーノーツも付属し、「HEADZ」より3月21日(金)にリリースされます。

 2024年にアンビエント / ドローンや実験音楽とインディー / エモ・ロックを横断する傑作アルバム『sentiment』を発表し、数々の媒体で年間ベスト・アルバムに選出され、昨年〈FESTIVAL de FRUE 2024〉への出演のために、待望の初来日を果たし、京都と東京での単独公演も大成功に収めたクレア・ラウジー。そんなクレア・ラウジーを現在の音楽活動に導いた10年来のコラボレーターで、コンポーザー / ヴァイオリニスト / マルチ・インストゥルメンタリストのマリ・モーリスの別名義であるモア・イーズは、『sentiment』にはヴァイオリンやエレクトロニクスで、同作のリミックス・アルバム『sentiment remix』にはリミキサーとして参加しています。

 かつて2人は米テキサス州サンアントニオで活動していましたが、現在、ラウジーはロサンゼルス、イーズはニューヨークにそれぞれ拠点を置き、遠く離れて暮らすなかでこのインストゥルメンタル・アルバムは制作されました。これまでのようなオートチューンを取り入れたハイパーポップなサウンドは影を潜め、フィールド・レコーディングを駆使することもなく、アコースティック楽器の演奏者としてのスキル、伝統的な作曲アプローチ、先見的なサウンドデザイナーとしての天賦の才能を結び付け、2人のみで精巧で緻密な音世界を構築し、新たなアメリカーナとも言える、牧歌的でメランコリックな「音と感情」のコラージュ・ミュージックを創り出しています。

 収録する5曲のタイトルは、2人が青春時代に通った、共通の思い出があり、非常に影響を受けたバーの名前にちなんだもの。アルバムからの1stシングル「limelight, irregally」はサンアントニオの巨大なバー“Limelight”の名前から取られており、2000年代半ばにはライヴ会場として使用され、2人は共に10代でこのステージに立ったというエピソードも。(モア・イーズは17歳の時にここで、ビル・キャラハンの前座を務めました)。2ndシングル「kinda tropical」はサンアントニオで2人の青春時代に欠かせない存在だったクィア・バー兼ライヴハウスが由来。そして、3rdシングル「lowcountry」は“Limelight”で働いていたバーテンダーの何人かが移ったこともある、2人がよく通っていたサンアントニアの小さなバーの名前。そのため、曲順は「limelight, irregally」から「lowcountry」へと続きます。

 なお、発売に先駆けて、岡村詩野とよろすずによるライナーノーツの抜粋、およびHEADZ代表の佐々木敦によるコメントも公開されています。

[ライナーノーツ抜粋]
本作に至っては両者の作家性は完全に溶け合っている〜このような音楽的な「溶け合い」は、両者の関係性の一層の深化から生まれた、本作の最大の魅力といえるだろう。そう、『no floor』は間違いなく、これまでの両者の作品でも最も親密なまどろみに根差した一作なのだ。
――よろすず

かつて、テキサスはサンアントニオの刺激的な音楽シーンを伝えてくれていたふたりは、今はもう別々の場所に移っている。しかし、境界を超え、時代も超え、さらには手法やプロセスもできるだけ解き放ったところで彼女たちはこれまで以上に自由に跳躍している。本作はそんな事実を2025年の今伝えてくれる重要作だ。ここにはもうただ“音楽”しかない。
――岡村詩野

[佐々木敦(HEADZ)コメント]
more eazeことマリ・モーリス・ルビオと、クレア・ラウジーは継続的にコラボレーションを行ってきた。
これは二人から届いた最新の便り。
アンビエントでヒプノティックでイマジナティブ、ガスター・デル・ソルが好きだった人には特にオススメ!






■3月21日(金)リリース
more eaze & claire rousay
『no floor』

faderbyheadz.com/release/headz267.html
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