東京に突如現れた謎のベッドルーム・サウンド・クリエイター“atmosfellix”が、80年代のニューウェーブ、90年代のシューゲーズ・サウンド、2000年代のアンビエントを継承しながらハイブリッドさせた日常のサウンド・トラック、1stアルバム『necology』を7月2日(水)にカセットにてリリース。
それは1通のメールから始まりました。そのメールには1曲のデモがリンクされていました。性別も年齢も国籍も不明なそのアーティストのデモには『atmosfellix demo 1』とだけ記載されていました。そのデモは豊かなメロディにシルキーなディストーション・ギターが絡み合った美しいサウンドをしていました。すぐに他のデモはないか尋ねると、4曲ほどのリンクが送られてきました。どの曲も丁寧に作られたギターのサウンドが織りなす流麗な楽曲でした。あえてカテゴライズするならドリーム・ポップ、シューゲイザーを基調にしたエレクトロニカといったところでしょうか。全体に通底する美意識は
コクトー・ツインズ、もしくは
ウルリッヒ・シュナウスにも通じ、しなやかに歪むギターは
マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのようで、時に映画のサウンド・トラックのように情景を想起させ、時に極上のアンビエント・ミュージックのようでもあります。
KiliKilivillaには多くのデモが送られますが、そのデモのみでリリースを決めることはほとんどありませんでした。デモがよかった時には必ずチームの誰かがライヴを見に行くようにしているからです。しかし、atmosfellixはそんなKiliKilivillaの常識を飛び越えてきました。またアルバムのリリース前ではありますが、すでにいくつかの新曲もできているとのこと。今年の冬からはライヴ活動もスタート、ぜひ今後に注目してほしいところです。
この謎めいたアーティストの名はatmosfellix、それ以外はまだ何も明かされていません。