5月9日に6thアルバム『Lotus』をリリースした英ロンドンのラッパー、リトル・シムズ(Little Simz)が、今年の〈FUJI ROCK FESTIVAL〉に初出演。最終日7月27日のGREEN STAGEに登場し、バンドセットでの最新作『Lotus』収録曲から人気曲「Gorilla」などを披露し、巧みにビートにのりこなすパフォーマンスで、観客を大いに圧倒した当日のレポートが到着しています。
「ありがとさま〜」と弛緩した表情で日本語のMCもこなすシムズ。「SIMZ 3」のプリントを配したサッカー日本代表ユニフォームを着用し、気ままな姿を苗場の舞台でさらけ出す姿には、『Lotus』で表現されていた自己との会話と世界へのポジティブな展開というテーマの答えが示されているかのようだった。その前々作となる『Sometimes I Might Be Introvert』から「Two Worlds Apart」と「I Love You, I Hate You」を連続で繰り出し、ブリージンな縦ノリを生み出すと、「Young」でステージを端から端まで小走りで駆けながら、軽薄ながらも切れ味のあるリリックを積んでいく。
バンドが戻ると「Selfish」からインティメイトに再開。コーラス部ではシンガロングを煽り、柔らかな楽曲を通じてリスナーたちとのコミュニケーションを図る。やはり今日のリトル・シムズからはリラックスしたムードが伝わってくる。「Lion」に「Point And Kill」とオボンジャイヤー参加のプリミティブなダンスチューンではリズムセクションと呼応しながら、巧みにリズムの上を高速のライミングで乗りこなしていく。