2003/04/08掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
ジャパニーズ・ホラーの最高峰、角川ホラー文庫から生まれた9つの物語が、3つの短編集として5月21日に同時発売されることになりました。
『〜絶叫屋敷へようこそ〜』(KABD-563)、
『〜大どんでん返しのからくり絵巻〜』(KABD-564)、
『危険な香りの女たち』(KABD-565 各\4,800(税込))とテーマごとにジャンル分けして、それぞれ非ホラー作も収録される面白い企画。どのエピソードも話題性に富んだ内容で、どれも甲乙つけ難い出色の出来だけに、DVD販売のみというのはもったいない。『世にも奇妙な物語』的に、テレビシリーズ化しても良さそうなものだ。
まず、『〜絶叫屋敷へようこそ〜』からは、切ない幽霊を演じたら日本一! クエンティン・タランティーノ監督最新作『キル・ビル』にも出演した
栗山千明主演の『赤い鼻緒の下駄』がイイ! 好意を抱きながらも思いを遂げられない哀しい幽霊の話とあって、栗山千明デビュー作『死国』で号泣した輩には大歓迎の作品でしょう? 『バトルロワイヤル』を観たタランティーノが、「あの娘を連れてこい!」と栗山千明を抜擢したそうですが、柴崎コウじゃなくて、栗山千明ってところが、さすがは映画を分かってらっしゃると言うか、本当、タランティーノには共感しちゃいます。
『〜大どんでん返しのからくり絵巻〜』には、webシネマ『Vi! Click』から五十嵐均原作の『セコい誘拐』を収録。様々な分野で圧倒的な個性を発揮する、名脇役として名高い、
益岡徹と
石橋蓮司の濃い2人が競演。娘を誘拐された借金まみれの男が“身代金”欲しさに、子供を誘拐してしまうといったシュールなサスペンス・コメディに仕上がっている。他に
前田亜季が、赤川次郎原作に挑んだ意欲作『十代最後の日』(写真は主演の前田亜季のアルバム)など、怪作、珍作がギッシリ詰まった豪華短編集。お見逃しなく!!