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デイヴィッド・リンチ遺作『インランド・エンパイア』4K版公開 菊地成孔らのコメント&アザー・ヴィジュアル到着

デヴィッド・リンチ   2026/01/06 12:26掲載
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デイヴィッド・リンチ遺作『インランド・エンパイア』4K版公開 菊地成孔らのコメント&アザー・ヴィジュアル到着
 2025年1月15日、78歳で生涯を閉じたデイヴィッド・リンチ監督の遺作をリンチ自身の監修の元、4Kレストア化した『インランド・エンパイア 4K』。このたび、1月9日(金)からの全国公開を間近に控え、不安と恐怖が増幅するアザー・ヴィジュアル3種が公開に。あわせて、デイヴィッド・リンチ監督と『インランド・エンパイア』を愛する5名の著名人よりコメントおよびイラストが到着しています。

 1976年のデビュー作『イレイザーヘッド』以降、“カルトの帝王”として、世界中の映画人と観客を魅了し続けた巨匠デイヴィッド・リンチ。長編映画はわずか10本。その最後を飾る2006年製の『インランド・エンパイア』は、監督・脚本から撮影・音楽・編集に至るまでリンチ自らが手掛けた、最も濃密な一作。ローラ・ダーン演じる、映画への主演が決まった女優を主人公に、現実と映画の境界が次第に曖昧になっていく悪夢のような不条理劇が描かれ、その蟲惑的な難解さに満ちた内容について、本人が残した言葉はただ一つ――“about a woman in trouble”(トラブルに陥った女の話)。謎が謎を呼ぶ物語は、公開当時から賛否を巻き起こし、いまもなお伝説として語り継がれています。

 制作の発端は、近所に越してきたローラ・ダーンとリンチの偶然の再会から。リンチは彼女のために14項のモノローグ脚本を用意し、全体の脚本を完成させないまま、各撮影現場で思いついたシーンをその都度、撮影を行なったといいます。撮影中に浮かんだアイデアを次に撮るという繰り返しによって、リンチ自身も完成形がどのようになるのか分からなかったと語ったとのこと。また、本編はすべて SONY PD−150(デジタルビデオカメラ)で撮影されたことでも知られ、日本の女優・裕木奈江も出演していることでも話題を呼びました。

 公開されたうちひとつは、フランス版ポスターのデザインを踏襲し、ロゴを本作仕様に置き換えた「フランス版」ヴィジュアル。そして、また、白を基調とした背景の中央にローラ・ダーン演じる主人公ニッキーを配し、上部にはビデオカメラが映り込むことで撮影現場を想起させながらも、彼女の焦燥感あふれる表情が印象的なヴィジュアル、さらに、ニッキーの迫真の表情をアップで捉え、観る者に強烈な不安と恐怖を呼び起こすヴィジュアルの3種となっています。

 また、今回の公開に際し、コメントおよびイラストを寄せた5名は、リンチ監督作品を音楽的・構造的に読み解き、『インランド・エンパイ
ア』を高く評価し続けてきた音楽家・批評家の菊地成孔、リンチ作品を日本で読み解くための重要な視座を提示してきた批評家の佐々木敦、長年にわたりリンチ作品を論じてきた映画評論家の森直人、リンチを敬愛し、『あみこ』(17)、『ナミビアの砂漠』(24)などを手がける映画監督の山中瑶子。そして、映画パンフレットや雑誌「POPEYE」の映画特集において挿絵を担当してきたイラストレーターの大本有希子から、イラストも寄せられています。

 なお、本作の公開決定後、SNSにて続々と寄せられた「Tシャツを販売してほしい」との声に応え、長袖Tシャツの販売が決定。表面には、『インランド・エンパイア 4K』の中でも印象的な、ウサギ人間たちが集うシーンカットを中央に配置。難解とされる本作を読み解く唯一の手がかりであり、デイヴィッド・リンチ監督が残した唯一のメッセージ「a woman in trouble」のコピーが添えられたデザインとなっています。販売劇場は公式Xにて追って告知される予定です。

[コメント]
リンチの間違いない最高傑作。途中何度寝ても、あなたは寝ていない。驚異的なエンドロールの感動を見るための2時間50分。
――菊地成孔(音楽家 / 文筆家)

どれほど優れた映画作家でも生涯に一本しか撮れない映画がある。
デイヴィッド・リンチにとって、『インランド・エンパイア』がそれだ。
無限に観直すことの出来る映画。私たち観客のさもしい理解への欲望を敢然と拒絶する映画。
しかしそれはおそろしいほど魅力的なのだ。

――佐々木敦(批評家)

ニーナ・シモンの名曲「シナーマン」が流れる頃には、頭も身体も恍惚のあまり沸騰していた。
市販のデジタルビデオカメラを手にしたことで、脳内に直接プラグを差し込む形になったデイヴィッド・リンチの「極」=超自主映画。
天才奇才の妄想迷宮をめぐる美しく知的で狂的な旅。後続への影響力は凄まじく、同時に誰もこれを超えることはできない。

――森直人(映画評論家)

突如ひらいた意識の裂け目に落ち、現実への回路がふっと消える。それでも踊っていると妙に楽しくて、もう帰り道なんてどうでもよくなるような多幸感。きちんと取り繕った日常より、この混沌の方がはるかに自然で、心地よい。今こそ、この快感に身を沈めよう!
――山中瑶子(映画監督)

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『インランド・エンパイア 4K』
2026年1月9日(金)より東京 新宿ピカデリーほか全国順次公開
公式サイト:unpfilm.com/empire
公式X:@inlandempire4k
配給:アンプラグド
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