辻一郎のソロ・ユニット“
Dissecting Table”が、アルバム『Abnormal』をリリース。8月26日(土)にCDRのリリースとデジタル配信を行います。CDRは、レギュラーエディション20枚限定、スペシャルエディション2枚限定でリリースします。スペシャルエディションのCDジャケットは、辻によるハンドメイドアートワークです。
辻一郎は1966年生まれ。東京で86年から“Dissecting Table”という名義でノイズ・インダストリアル・ミュージックの制作を開始し、98年に故郷の広島に戻り音楽活動を展開。おもに自主レーベル「UPD organization」とヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきました。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していましたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行なうようになり、現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作しています。
この作品を制作して、サレンキー回路のバンドパスフィルタの非反転増幅器を状態変数フィルタに置き換えたフィルタの評価を行いました。このフィルタのサレンキー回路のバンドパスフィルタはフィルタ1と呼び、状態変数フィルタは、フィルタ2と呼ぶことにします。前回は、フィルタ1の中心周波数とフィルタ2の遮断周波数または中心周波数をアナログフォトカプラで制御しました。今回は、フィルタ2の感度をアナログフォトカプラで制御します。ただし、音色を改善するために、フィルタ1の中心周波数は、可変抵抗で制御します。このアナログフォトカプラに入力する制御信号は、入力信号のpulse width modulation信号をバイナリカウンタで分周して、この信号をインバータで反転させた信号です。
この時、フィルタ2の遮断周波数または中心周波数は、アナログフォトカプラを用いず可変抵抗で制御します。入力信号がない時、インバータの出力信号でフィルタ2の感度を低くしています。さらに、このフィルタの発振を制御するため、フィルタ2の出力信号は、可変抵抗を用いて出力電圧を調整した信号をフィルタ1に入力します。アナログフォトカプラでフィルタ2の感度を制御するため、音色がパーカッションのようになりました。この作品は、ハーシュノイズとリズミカルなノイズが融合した斬新な音響です。また、4チャンネル入力のミキサーを開発して音質も改善しました。