〈Hiromi Go at Nippon Budokan 2025 “THE GREATEST 70 SONGS”〉の初日、ラストに初披露したのは同日リリースしたばかりの新曲「ALL MY LOVE」。作詞はいしわたり淳治、作曲はフランス出身のFrederic Chateau、編曲は鈴木正人による渾身のバラード・ナンバーです。デビューから53年、共に歩み、そのキャリアを支えてくれたファンへの深い愛情を込めた一曲となっています。
10代から60代の華々しいヒットソングや、ファンに愛された名曲たちを年代ごとに披露し、揺るがない歌声と全身全霊のパフォーマンスで会場のボルテージを最高潮まで引き上げました。そして35曲目、ラストナンバーを歌い出す直前のことでした。「これまでの自分のアーティスト人生は、紛れもなくみなさんと一緒に歩んできた人生でした」と静かに語り出すと、感極まったのか一つ大きく息を吐き、天を仰ぎました。“ひろみコール”に湧く会場を潤んだ目で見つめながら、「それはこれからもずっと変わりません。ファンのみなさんの支えに大きな感謝を、そしてこれからもみなさんの期待に必ず応えていくという思いです」と、万感の思いを込めて「ALL MY LOVE」を歌いました。
さらに番組では「ALL MY LOVE」の制作現場にも密着。作詞を担当したいしわたり淳治との打ち合わせシーンも放送されました。これまでも、大切な人を思う歌にファンへの思いを重ねて歌うことはありました。しかし、最初からファンへの感謝と愛情を真正面から綴ったラヴ・ソングは、この「ALL MY LOVE」が初めて。「ファンあってこそ」という母親の言葉を信念として活動を続けてきた郷だからこそ、歌詞の中に「嘘は入れたくない」と妥協を許しません。華やかさよりも誠実さを、難解な言葉より誰もがわかる言葉を。思いがまっすぐに届くように。
その思いは日本武道館のステージで結実。53年間、どんな時もついてきてくれたファンを前に、〈優しさに甘えてばかりで ごめん…〉と寄り添い、〈100万光年先も 君のそばにいよう〉と永遠の約束を誓います。胸の奥からすっと抜けていくような静かな息遣いと、柔らかなビブラート。一言ひとこと優しく語りかけるような郷の歌を、音数を詰めないシンプルなアンサンブルが引き立てます。しかし、「ALL MY LOVE」は決して甘いラヴ・ソングではありません。〈君への 最後の 愛の歌を贈るよ〉〈もし この命が いつか 終わる日が来ても 怖くない〉と、“永遠の約束”と対をなす“人生の有限性”がリアルな言葉で刻まれています。その重さをあえて避けずに真正面に据えたこの曲は、郷ひろみの芸能人生の一つの到達点と言えるでしょう。そして、こうした言葉は、ファンとの深い絆があってこその表現でもあります。「ALL MY LOVE」を歌い終えた郷は、大きな歓声と拍手に包まれながら、こらえきれずに右手で目を覆いました。
「ALL MY LOVE」の武道館でのライヴ映像は、公式YouTubeチャンネル「郷ひろみ / Hiromi Go Official YouTube Channel」で公開されています。公開後すぐに4万回以上再生され、多くのファンから熱いコメントが寄せられています。また、12月24日(水)には反響の大きかった『情熱大陸×郷ひろみ』の映像作品もリリースされます。約10ヵ月にわたり密着した膨大な映像の中から、放送された内容に入りきらなかった貴重なシーンが追加されるとのこと。「ALL MY LOVE」のレコーディング風景も盛り込まれる予定で、こちらも見逃せません。
70歳という節目を迎えてなお、郷ひろみの挑戦は終わりません。そのモチベーションを支えているのは、紛れもなくファンの存在だと明言した「ALL MY LOVE」は、郷がファンへ贈る究極のラヴレター。限りある時間を意識しながら、なおも歌い続けるその姿は多くの人の心に響き、新たな感動を生んでいます。彼の輝きは、ファンの人生をも明るく照らし続けるでしょう。