今年2月に開催された<第60回ベルリン国際映画祭>にて、主演の寺島しのぶが35年振り、日本人として3人目の快挙となる“銀熊賞(最優秀女優賞)”を受賞したことでも大きな話題となった、
若松孝二監督作品・映画『キャタピラー』。その映画『キャタピラー』の主題歌に、
元ちとせの楽曲「死んだ女の子」が決定しました。この曲は、トルコ出身の詩人ナジム・ヒクメットが、広島での原爆を題材に書いた詩の日本語訳詞(訳詞:中本信幸)を歌詞として使用し、
外山雄三が作曲。今も反戦歌として歌い継がれている楽曲です。坂本龍一がプロデュースを手掛け、原爆投下から60年にあたる、2005年8月6日に広島の原爆ドームの前で行なわれた、
坂本龍一と元ちとせによる「死んだ女の子」のパフォーマンスも大きな話題を呼びました。また、このパフォーマンスに併せ、期間限定で楽曲配信も行なわれました。
音源としての初収録は、2006年5月に発売された元ちとせのアルバム『ハナダイロ』(写真)の初回限定盤。「ハナダイロ」の初回限定盤は現在入手困難になっているものの、2005年より毎年夏に、期間限定で配信し、この楽曲により発生した利益は子どもたちの未来のため、慈善事業団体に寄付されています。
そして終戦から65年となる2010年。8月4日に発売する元ちとせのカヴァー・アルバム『Orient』(オリエント)の、初回限定盤に、「死んだ女の子」が再び収録されることが決定。
この楽曲に大きな感銘を受けた若松監督が、元ちとせサイドに『キャタピラー』の主題歌としての使用をオファー。非常にメッセージ色の強い両作品のタッグが実現した。映画『キャタピラー』は6月19日より沖縄桜坂劇場、8月6日より広島シネツイン本通り、8月9日より長崎セントラル劇場にて先行上映後、8月14日より順次全国公開。
終戦65周年の今年。この作品をきっかけに“戦争とは何なのか”ということを、改めて見つめ直してみては?