半世紀以上のキャリアを持ちながら、今なお精力的に活動する
ジョン・スコフィールド(g)が、
ハービー・ハンコックや
ジョー・ヘンダーソンらとの活動で知られる
デイヴ・ホランド(b)との初のデュオ・アルバム『
メモリーズ・オブ・ホーム』を11月21日(金)に発表します。収録曲からアルバム・タイトルにもなっている「メモリーズ・オブ・ホーム」が公開されています。
スコフィールドはホランドとのデュオについて「正直なところ、いつ、どうやってデュオを組む話になったのか覚えていない。かなり昔のことだ。2020年にパンデミックで中止になったツアーも予定していた。2021年末に実現し、うまくいった。2024年に二度目のツアーを行い、録音するという考えは自然な流れだった。このレコードは、私たちのライヴショーと同様に、それぞれが作曲した楽曲をフィーチャーしている。新しいものもあれば古いものもある。私たちは音楽的に何十年もの共通の参照点を共有している。私たちのアプローチの類似点と相違点が、より興味深いコラボレーションを生み出していると思う」とコメントしています。
そうした共通の音楽的参照点の中で、
マイルス・デイヴィスは大きな存在です。スコフィールドにとって1982年から1985年にかけてのマイルスとの共演は、1968年から1970年にかけてのホランドとデイヴィスの共演と同様、決定的に重要なものでした。
マイルスは、本作の冒頭を飾っているスコフィールド作曲「アイコンズ・アット・ザ・フェア」で彷彿される“アイコン”の一人であり、この曲はハービー・ハンコックが『
ザ・ニュー・スタンダード』(1996年)でアレンジした「Scarborough Fair」に触発されたものです。『ザ・ニュー・スダンダード』にはジョンとデイヴの両方が参加しており、スコフィールドはそのコードを借りて、マイルスのトランペットのフレーズを彷彿とさせるメロディでまったく新しいものを構築しました。この曲は、スコフィールドが彼のコンボ66カルテットで発表したものですが、デュオ・ヴァージョンはそれ独自のダイナミックな推進力を持っています。
Photo by Roberto Cifarelli