1984年に13歳で
ズービン・メータ(Zubin Mehta)指揮
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団のソリストとしてデビューし、1988年に
ジェームズ・レヴァイン(James Levine)指揮
シカゴ交響楽団との共演によりドイツ・グラモフォンで録音デビューするなど、ごく若い頃から活躍してきた1970年イスラエル生まれの鬼才チェリスト、
マット・ハイモヴィッツ(Matt Haimovitz)が、6月に来日公演を開催。6月8日(金)に東京・小石川 トッパンホールでピアニストの
児玉麻里を迎えたリサイタル、6月10日(日)には愛知・名古屋 宗次ホールで無伴奏チェロ・リサイタルを行ないます。
ハイモヴィッツの東京でのリサイタルは、今回のトッパンホールでの公演が約30年ぶりとなります。これまでに数多くの共演を重ねてきた児玉と奏でる曲目は、
ベートーヴェンの「モーツァルトの『魔笛』の〈娘か女か〉の主題による12の変奏曲」「ヘンデルの『ユダス・マカベウス』の〈見よ、勇者は帰る〉の主題による12の変奏曲」に、
ドビュッシーや
プーランクのチェロ・ソナタ、
ラヴェル / ハイモヴィッツ編の「カディッシュ」(2つのヘブライの歌より)という20世紀のフランス音楽を組み合わせたこだわりの内容です。ベートーヴェンの2作品は、PentatoneレーベルとカナダのOxingale Recordsレーベルとの共同企画“PENTATONE OXINGALE Series”より2015年に発表したアルバム『
ベートーヴェン: チェロとピアノのための作品全集』(KKC-5442 4,200円 + 税)に収録されているほか、ドビュッシーやラヴェル、プーランクなどのフランス音楽については、今後の録音が計画されています。
宗次ホールでの無伴奏チェロ・リサイタルは、“バッハへの序曲”と題されたもの。“PENTATONE OXINGALE Series”より2016年にリリースされた同名のアルバム『バッハへの序曲』(PTC-5186561 オープン価格 / 輸入盤)の収録曲を中心に構成しており、
J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」第1〜4番の前奏曲と第5番の全曲に、
フィリップ・グラスの「序曲」やユン・ドゥの「ヴェロニカ」、ヴィジャイ・アイヤーの「ラン」、ロベルト・シエラの「ラ・メモリア」、デイヴィッド・サンフォードの「エス・ヴァー」といった現代の作品を組み合わせています。これらの現代の作品はハイモヴィッツの委嘱作品で、J.S.バッハのチェロ組曲の各前奏曲からインスピレーションを受けた作曲家が、各曲の序曲として作曲したものです。
©Steph Mackinnon