2016年に惜しまれつつこの世を去ったマルチ・リード奏者、
宮本大路が、生前に
三宅 純にプロデュースを依頼し、準備を進めていたアルバム『
Last Picture』(PCD-28037 2,800円 + 税)が完成。6月21日(水)にリリースされます。
2016年10月11日、癌のため死去した宮本は、白いバリトンサックスをトレードマークに80年代からジャズ・シーンの第一線で活躍。日野皓正、山下洋輔ら幅広いアーティストのサポートを歴任しながら、20年間メンバーを務めた
熱帯JAZZ楽団や、自身のユニットである
PINK BONGO、
CROSS COUNTERなどで精力的にリリース / ライヴ活動を続けてきました。米バークリー音楽院時代からの盟友である三宅の作品には、デビュー・アルバム『June Night Love』(1983年)から最新作『
Lost Memory Theatre -act-2-』(2014年)までの全作品に参加しています。
闘病の最中、宮本は自身のラスト・アルバムと位置づけたソロ作のプロデュースを三宅に打診。両者は2016年から制作に着手しますが、アルバムの完成を見ずに宮本は他界しました。三宅は宮本の念願でもあったこの作品を完成させることを決意し、“現段階で作り得る最良のオリジナル・アルバムとは”を模索。あくまでも宮本の自演に拘り、生前最後のレコーディングとなった「Last Picture」をはじめ、三宅が手がけた舞台「幽霊たち」への提供曲など、これまでCDリリースされたことのない楽曲を中心に全12曲で構成し、完成にこぎつけました。
本作のリリースを記念して、6月20日(火)東京・代官山 晴れたら空に豆まいてにて〈宮本大路『Last Picture』リリース・セッション〉を開催。トーク・ゲストには本作のプロデューサーである三宅、進行役には三宅作品を通じて宮本とも親交のあった画家の寺門孝之を迎え、『Last Picture』を楽しみながら、制作秘話はもちろん、音楽家として、友人としての宮本大路その人について語ります。当日は発売日より1日早いアルバムの会場先行販売も予定されています。
宮本大路は私の音楽に必要不可欠な存在だった。いつまでも存在してくれるものだと思い込んでいた。予想を痛快に裏切るアプローチで、時に共演者を震撼させ、時に微笑みを誘い、音楽に色彩感と立体感をもたらしてくれる、そんな彼はもう居ない。最後の輝きを刻印したこのアルバムを彼に捧げたい――三宅 純