辻一郎のソロ・ユニット“
Dissecting Table”が、アルバム『Antilogy』をリリース。5月4日(木・祝)にデジタル配信、レギュラーエディションのCDRを12枚限定及び、スペシャルエディションのCDRを2枚限定でリリースします。スペシャルエディションのCDジャケットは、辻による手作りアートワークです。
辻一郎は1966年生まれ。東京で86年から“Dissecting Table”という名義でノイズ・インダストリアル・ミュージックの制作を開始し、98年に故郷の広島に戻り音楽活動を展開。おもに自主レーベル「UPD organization」とヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきました。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していましたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行なうようになり、現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作しています。
独自のシンセサイザーシステムは、主に、コンピュータ、universal serial bus(USB)接続デバイス、ラインセレクタ、フィルタ及び、ミキサーで構成されています。コンピュータとUSB接続デバイスは、USBインターフェースで接続してコンピュータシンセサイザーを形成します。USB接続デバイスは、5つのpulse width modulation(PWM)信号を出力します。PWM信号は、ラインセレクタを経由してフィルタに入力されます。このシステムは、状態変数フィルタ用いた5つのタイプの斬新なフィルタを用いることができ、ユーザーは、曲に応じてフィルタを選ぶことができます。各斬新なフィルタの回路は異なり、音色も異なります。複合型シンセサイザーは、主に、ウィーンブリッジ発振器、バイカッド回路、乗算器及び、電圧制御回路で構成されています。複合型シンセサイザーは、コンピュータシンセサイザーと接続します。本作の1曲目と2曲目で、PWM信号は、ランダム信号とリズム信号を用いています。1曲目で、ランダム信号を白色化フィルタに入力してフィルタは、信号を持続的に出力します。別のランダム信号を斬新なフィルタに入力してフィルタは、信号を断続的に出力します。1曲目は、ホワイトノイズに効果音をミックスした抽象的なスタイルです。斬新なフィルタは、コンピュータ制御と手動操作で音色を変化させます。
更に、コンピュータシンセサイザーのエンベロープジェネレーターを用いてPWM信号の周波数を変化させて、斬新なフィルタの音の高さを変化させます。エンベロープジェネレーターの効果が曲に電子音楽の要素を与えています。2曲目で、リズム信号をオールパスフィルタに入力してフィルタは、信号を持続的に出力します。ランダム信号を斬新なフィルタと複合型シンセサイザーに入力してフィルタは、信号を断続的に出力します。2曲目は、リズム音にハーシュノイズをミックスした攻撃的なスタイルです。斬新なフィルタと複合型シンセサイザーの出力信号が同期して曲は、ハードな音色を作ることができます。このシステムは、状態変数フィルタを用いた5つのタイプの斬新なフィルタと2つのタイプの複合型シンセサイザーをもつため、色々な音作りができます。今後は、コンピュータシンセサイザーの設定も考慮して曲作りを行います。