辻一郎のソロ・ユニット“
Dissecting Table”が、CDR『Clusterfuck』を7月23日(日)にリリース、7月29日(土)にデジタル配信します。CDRは、レギュラーエディション18枚限定、スペシャルエディション2枚限定でリリースします。スペシャルエディションのCDジャケットは、辻によるハンドメイドアートワークです。
辻一郎は1966年生まれ。東京で86年から“Dissecting Table”という名義でノイズ・インダストリアル・ミュージックの制作を開始し、98年に故郷の広島に戻り音楽活動を展開。おもに自主レーベル「UPD organization」とヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきました。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していましたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行なうようになり、現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作しています。
本作で斬新な曲を作るため、シンセサイザーシステムのバッファを開発しました。本システムは、主に、コンピュータ、universal serial bus(USB)接続デバイス、ラインセレクタ、バッファ、フィルタ及び、ミキサーで構成されます。USB接続デバイスは、USBインターフェイスでコンピュータと接続してpulse width modulation(PWM)信号と制御信号を出力します。開発したバッファは、ラインセレクタの出力に接続します。ラインセレクタは、USB接続デバイスから出力される4つのPWM信号を入力して4つのPWM信号を出力します。USB接続デバイスの制御信号により、ラインセレクタの入力と出力の接続方法は変更されます。
PWM信号は、ランダム信号、low-frequency oscillatorによる変調信号及び、リズム信号です。ラインセレクタから出力される4つのPWM信号は異なります。そのため、ラインセレクタは、入力と出力の接続を変更して出力される4つのPWM信号の種類を変更します。バッファは、ラインセレクタから出力される4つのPWM信号を入力して12のPWM信号を出力します。各入力信号は、同じ信号を3つ出力します。バッファの出力信号は、フィルタの入力信号と制御信号に用いることができます。PWM信号は、USB接続デバイスから出力される制御信号よりも複雑に変化します。そのため、フィルタは、ユニークな音色作りができます。バッファの開発は、本システムの回路網を複雑にしました。今後の作品を進めるため、バッファ、ラインセレクター、フィルター間の接続を慎重に検討する必要があります。