東京出身の電子音楽家、
Takaoがアンビエント・シーンで話題を呼んだ『
Stealth』(2018年)とそのセルフリメイク作『
Stealth (Gold Edition)』(2021年)に続き、通算3作目、完全新曲では2ndアルバムとなる『The End of the Brim』をエム・レコードより9月19日(金)にリリースします。
本作の制作は、『Stealth』発表直後に着手。小品を組み立てたトータルピースである『Stealth』とは異なり、一曲一曲が強度をもち自立してもいる世界を構想したタカオは、自分にとってこれまでにない試みのため協力者を必要とし、DJのeminemsaikoをスーパーバイザーに起用。このチームでトライ&エラーを繰り返していく過程で、堀池ゆめぁ(「Music Room」)、クリステル・ベレ(「Fall」)、
カラード・ミュージックの
藤本敦夫(「Main Theme」)をヴォーカリストに迎え、作詞に
ミツメの川辺素(「Main Theme」)、
細野晴臣や
ムーンライダーズなどの仕事でも知られるエンジニアの原口宏も加わりアルバムは精妙に彫刻されていきました。
『The End of the Brim』は、形式上は音楽家の個人的なものを表明するはずの“ソロ”アルバムですが、その表明の様式は直接的なものではなく、そこには委嘱作を請け負うコマーシャルな職業音楽家へのオマージュというタカオのユニークな意志が埋め込まれています。ゆえに本作は、音楽理念を職業音楽家=客観的な遂行者という一種の概念を介して記述しようと試みた「自身が発注者でありその発注者であるところの自身を表明する標題音楽」といえるような二重・三重の手順を踏んだ重層的な作品となっています。
解説は、柴崎祐二。本作の装丁画は大谷透、デザインを坂脇慶が担当しています。