チェリストの
上野通明が、2022年に発表した『
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)』以来となるアルバム『オリジン〜チェロ独奏のための邦人作品集』を9月5日(金)に発表します。
収録曲は、
黛敏郎の「BUNRAKU」、
武満徹の「エア」(独奏フルートの為に書かれた作品のため、遺族の特別な許可を得て演奏)、日本古謡の「さくら」、
松村禎三「祈祷歌」、
山田耕筰の「からたちの花」、
滝廉太郎の「荒城の月」、森円花の「フェニックス」。上野はアルバム収録曲の一部と
團伊玖磨の「無伴奏チェロ・ソナタ」、
藤倉大の「Uzu(渦)」を披露する公演を2024年5月24日に開催しており、このアルバムは、その直前の2024年5月3日から6日まで、ベルギー・ワーテルローのエリザベート王妃音楽院で録音されました。
1995年に南米パラグアイで生まれ、幼少期をスペインで育った上野にとって日本は遠く離れた国でしたが、やがて日本を強く意識するように。昨年のサントリーホール公演に向けたコメントで、上野は「日本人特有の感性、内に秘めた情念、静寂の美学、時間の流れの捉え方などにも大変興味を持ちました。今回のプログラムはそうした深い精神性を探求し、邦人作曲家の作品を通して、日本の奥深い魂の響きを伝えようとする試みです。日本人演奏家として、今後も邦人作品の魅力を世界に広めていくことに意義を感じています」と記しています。
Photo by Seiji Okumiya