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映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」ワールドプレミア、舞台挨拶に監督・キャストが登壇

2019/10/29 14:32掲載
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映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」ワールドプレミア、舞台挨拶に監督・キャストが登壇
 今年、公開50周年を迎える『男はつらいよ』シリーズの最新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が、12月27日(金)より全国公開されるのに先がけ、10月28日開催の〈第32回東京国際映画祭〉のオープニング作品として世界初上映。山田洋次監督をはじめ、倍賞千恵子吉岡秀隆後藤久美子前田 吟夏木マリ浅丘ルリ子の出演者6人がレッドカーペット・オープニング上映舞台挨拶に登場しました。

 1997年公開の『男はつらいよ 寅次郎 ハイビスカスの花 特別篇』以来22年ぶり、シリーズ50作目となる本作は、新撮された登場人物たちの“今”を描く映像と、4Kデジタル修復されて蘇る寅さんのシリーズ映像が見事に紡ぎ合う、新たなる「男はつらいよ」の物語。キャストには50年をともに歩んだシリーズおなじみの面々が再集結するほか、23年ぶりに女優復帰を果たした後藤をはじめ、豪華俳優陣の出演も見どころとなっています。

 舞台挨拶冒頭、監督の山田は「今から50年前の8月にシリーズの第1作が公開されました。その時は50年後にまさか50作目を公開することになるとは思ってなかったです。どうか50年かけて作った映画だということを念頭に置いて観ていただきたいです。長生きできてこんなことを実現することができて良かったです」と挨拶。また作品については「50年かけて作った映画は映画の歴史の中で他にないでしょうね。だから僕の演出がどんなに下手でも、年月でこの作品の重みが感じてもらえると思います。何しろ皆さんは今から倍賞さんや前田さんの50年前の姿を見ることができるんですから」と語りました。

 監督に続き、寅さんの妹・さくらを演じた倍賞は、「私も50年かけてさくらを演じて参りました。お兄ちゃんはいつも〈バカだなぁ〉と言われる立場だったんですけど、そのお兄ちゃんが、人間として何が一番大切かを教えてくれました。撮影中もどこかで見てくれていると思いながらこの映画を撮り終えました」と寅さんへの思いをコメント。一方、甥・満男役の吉岡は「去年の今頃は監督の演出のもと、寅さんを探す旅に出ていましたが、今は無事に旅を終えた気分です」と語り、満男の初恋の相手・イズミ役の後藤は「今夜は皆さんの大好きな寅さんにたくさん会えると思います。どうぞ寅さんと素敵な夜をお過ごしください」とコメントしました。

 さらに、当日ワールドプレミアに湧いた会場では、キャスト、監督、観客が一体となり主題歌「男はつらいよ」を熱唱。シリーズと寅さんへの愛情で満ち、あたたかい雰囲気に包まれた上映会となりました。

[オフィシャル・レポート]
大勢の観客が集まる中、倍賞千恵子さん、吉岡秀隆さん、後藤久美子さん、前田 吟さん、夏木マリさん、浅丘ルリ子さんらシリーズお馴染みのキャストたちと山田洋次監督がレッドカーペット・オープニング上映舞台挨拶に登場。

舞台挨拶冒頭、山田洋次監督は「今から50年前の8月にシリーズの第1作が公開されました。その時は50年後にまさか 50作目を公開することになるとは思ってなかったです。どうか 50年かけて作った映画だということを念頭に置いて観ていただきたいです。長生きできてこんなことを実現することができて良かったです」と挨拶すると、満員の会場からは盛大な拍手が!

続いて寅さんの妹・さくらを演じた倍賞さんから「私も50年かけてさくらを演じて参りました。私はこの映画の中で、社会とか世間とか、演じることを学びました。お兄ちゃんからもいろんなことを教えてもらったんだけど、お芝居を教えてもらったという記憶はありません。お兄ちゃんはいつも〈バカだなぁ〉と言われる立場だったんですけど、そのお兄ちゃんが、人間として何が一番大切かを教えてくれました。撮影中もどこかで見てくれていると思いながらこの映画を撮り終えました」と寅さんへの思いを込めてコメント。

さくらの夫・博役の前田 吟さんは「これまで105本の映画に出ました。半分は山田洋次監督の映画で、ほとんどが脇役です。バイブレーヤーって難しいんですよ。特に諏訪博は難しかった。難しい役を楽しくできたのは寅さんとさくらのおかげです。〈おかえり 寅さん〉は楽しく演じました。皆さんも楽しんで観てください」とコメント。

さらに、さくらと博の息子で寅さんの甥・満男役の吉岡秀隆さんは「時が経つのは早いものですね。確か、新作の撮影の時は平成だったのに。今日ここにいる皆さんは令和という時代に一番初めに寅さんに出会える人たちです。去年の今頃は監督の演出のもと、寅さんを探す旅に出ていましたが、今は無事に旅を終えた気分です」と挨拶。満男の初恋の相手・イズミ役の後藤久美子さんは「またこうして自己紹介する日が来るとは……。でもこうして尊敬する山田監督とキャストの皆さんとここに居ることができて光栄に思います。今夜は皆さんの大好きな寅さんにたくさん会えると思います。どうぞ寅さんと素敵な夜をお過ごしください」とコメント。

そして、イズミの母・礼子役の夏木マリさんは「寅さんの映画はこれで6回目の出演です。そして 50作目という記念すべき作品に出していただいて感謝しています。イズミちゃんのお母さんなので後藤さんが出演されると、もれなく私もついてきます(笑)。今日は気合を入れて寅という帯を着てまいりました」とくるっと回ってお着物の帯を披露しました。

最後に寅さんが最も愛した女性・リリー役の浅丘ルリ子さんからは「 50作目と他にも5作、出させていただいたのは山田監督が、私の役を売れない歌手のリリーにしていただいたおかげです。とにかく今回も出させていただいてすごく嬉しかったです。新作の中では“リリー”というジャズ喫茶をやっております。リリーは寅さんを思いながら働いています。映画を見てのお楽しみです」とそれぞれより愛情
のこもった挨拶がされました。

最新作「男はつらいよお帰り 寅さん」について山田監督は「奇跡なんて言われてびっくりしていますけど。50年かけて作った映画は映画の歴史の中で他にないでしょうね。だから僕の演出がどんなに下手でも、年月でこの作品の重みが感じてもらえると思います。何しろ皆さんは今から倍賞さんや前田さんの50年前の姿を見ることができるんですから」と作品についての想いを話しました。

寅次郎役・渥美清さんとはシリーズ第一作『 男はつらいよ 』 (1969)から共演している、倍賞さんと前田さん。倍賞さんは 「いつもどこかにいるような気がしています、山田さんの後ろやひで(吉岡さん)の後ろとか」と語り、前田さんも「僕はね、お兄ちゃんの高い声と歯切れのいいお芝居を思い出しながら撮影していました」と撮影中の思いを話しました。

さらに、吉岡さんと、23年ぶりに女優出演した後藤さん。後藤さんは「吉岡君がいてくれたおかげで撮影が順調にできました。23年経った感じがしないんですが、監督に私の不安は伝えました。そしたら監督が私に、大丈夫だから任せなさい、と言ってくださったんです。なので監督の手に全てを委ねようと努めました。そして吉岡君と仕事をするのはとても大きな喜びでした。私たちの役の満男とイズミも一緒の人生は歩まず、それぞれの人生を歩みました。そんな二人の再会だったのでとても興味深いシーンがたくさん撮れたと思います。どうもありがとう。吉岡君本人と満男君が居なかったらこの撮影を乗り越えられなかったから、いつか感謝を伝えたかったの」と撮影を振り返りながら吉岡さんへの感謝の思いを明かし、吉岡さんは「恋をしていました。それはおそらく僕は寅の甥なので致し方ないことだと思いますが(笑)、いつもお綺麗だなあと。演じる上でもやっぱり寅さんの甥っ子なんだな僕はと思っていました」とイズミ、そして共演の後藤さんへの思いを語る吉岡さん。昔から変わらない仲の良さを見せたお二人でした。

夏木マリさんは「後藤さんがフランスに住み始めて、イズミも異国から一時帰ってくるということで妙にリアリティが持てて、礼子と娘のイズミとの距離感が自然と重なりました。私たちの久しぶりの再会が演技に生かされているんじゃないかと思います。みなさんこれからご覧いただくと思いますが、映画の中でもめちゃくちゃ海外で活躍してる自慢の娘です!」と再会・共演を果たした後藤さんへコメント。そして、すでにもう2度この新作をご覧になっているという浅丘さんは 「最初に試写で拝見した時に、いつもの山田監督とはまたちがう素晴らしい映画になっていることを感じて、あまりにも素敵だったので
山田監督の首に抱きついて〈素敵!〉と申し上げました」と新作の感想を明かしました。

本日は、映画祭のオープニング、「男はつらいよ お帰り 寅さん」のワールドプレミアということで、主題歌「男はつらいよ」をキャスト・監督、そして会場の皆さんもそろって大熱唱!シリーズと寅さんへの愛情がたっぷりで会場全体があたたかい雰囲気に包まれました。

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© 2019 松竹株式会社

「男はつらいよ お帰り 寅さん」
2019年12月27日(金)より全国公開
www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie50
配給: 松竹株式会社
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