文明からたった一人で遠く引き離され、大自然の猛威にさらされ、助けを呼ぶ声はどこにも届かない――。まさに“All is Lost”な状況下で人間の命の可能性に肉迫する
ロバート・レッドフォード主演作、映画『オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜』が来年の3月に公開されます。
――人生の晩年を迎えたその男は、自家用ヨットを駆り、インド洋を航海していた。誰にも邪魔されず、ゆっくりと流れる時間を楽しむ気ままな旅。そんな目論みは、ヨットが海上の浮遊物に衝突したことによって狂い出す。はじまりは浸水、そして無線の故障、さらには悪天候……自分はいまどこにいるのか? 食糧は、飲料水はもつのか? そして何より助けはやってくるのだろうか? 嵐と闘い、飢えや渇きと闘い、孤独と闘う日々。時間の経過とともに生存の望みは薄れ、運命に見放されようとしたとき、男は初めて自分自身の本当の気持ちと向き合うことになる――。
本作の舞台は、陸地さえ見えない、どこまでも広がる大海原。登場人物はたった一人。大自然と向き合い、その怖さを知らされると同時に、それでも強くあれと思い続ける男の魂の軌跡、そして生きることに対する人間の意欲を極限まで突きつめたストーリーが展開されます。
監督・脚本の
J.C.チャンダーは長編デビュー作
『マージン・コール』で〈アカデミー賞〉のオリジナル脚本賞にノミネートされた注目の俊英。同作の〈サンダンス映画祭〉での上映時にレッドフォードと出会ったことをきっかけに、本作でのタッグへと結実させたとか。レッドフォードは「脚本は大胆でエキセントリックだ。そしてチャンドラーは、どう撮るべきかをすべてを理解していた」との言葉を寄せています。