サカナクションが、今年1月から半年以上にわたり行なってきた全国ツアー〈SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”〉が、8月26日(火)・27日(水)神奈川・Kアリーナ横浜での追加公演でファイナルを迎えました。ツアータイトルに冠した「怪獣」はもちろん、初期の名曲「enough」や代表曲「
新宝島」などが披露され、会場は熱狂。今回、サカナクションのパフォーマンスと斬新な映像表現を組み合わせた先鋭的な演出で構成された本ツアーの集大成となった公演レポートが公開されています。
また、2日目の千秋楽公演は、8月30日(土)18:00より10日間限定でアーカイブ配信が予定。ファンサイトは「NF member」のFanstream、一般向けにはU-NEXTにて視聴可能となっています。詳細はサカナクションのホームページをご確認ください。
なお、〈SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”〉ツアー本編のセットリストをまとめた、オフィシャル・プレイリストも各種ストリーミングで公開中です。
[ライヴ・レポート] サカナクションの全国ツアー「SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”」が、8月26日(火)・27日(水)神奈川・Kアリーナ横浜での追加公演でファイナルを迎えた。
ツアータイトルにもなっている楽曲「怪獣」は今年2月にリリースされ、Spotify Japan Weekly Music Charts2週連続1位、Apple Music週間ソングランキング1位をはじめとする各音楽チャートの首位を席巻。Spotify Japanでは配信リリース初日の再生数が歴代最多を記録するなど、今年を代表する楽曲として存在感を示している。リリースから約半年が経った現在もチャートインを続け、ロングヒットを記録している。
その「怪獣」を携えて開催された全国ホールツアー「SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”」は、当初予定していた17会場34公演すべてが即日ソールドアウト。8月26日(火)・27日(水)に神奈川・Kアリーナ横浜で急遽アリーナ規模での公演が追加された。
ライブの総合演出は「怪獣」「新宝島」などサカナクションの代表曲のMVを数多く手がけている映像ディレクターの田中裕介。今回もサカナクションのライブ表現をさらに進化させている。横一列に並ぶメンバーの衣装、床、背面すべてが白で統一されたステージ。そのステージ頭上にはメンバーが立つ床と同比率の巨大なLEDモニターが吊るされている。
一人の男が主人公となる“怪獣”をテーマにした映像がLEDモニターに映し出され、ライブパフォーマンスと同時に進行していく。映像表現、ストーリー、サカナクションが奏でる音楽が時に融合、時に拮抗するかのような斬新な表現に会場に詰め掛けた観衆は圧倒され続ける。
初期の名曲である「enough」では楽曲に合わせてリアルタイムで男の手が山口の叫びを書き殴る、という斬新な演出が導入され、観衆もその世界に飲み込まれる。
映像世界を彷徨う男の狂気とサカナクションが奏でる音楽世界が最高度の緊張感に達したその瞬間に今回のツアータイトル楽曲でもある「怪獣」が披露された。客席はバンドが奏でる一音一音を聴き逃すまいという異常な集中力が会場を包む。
大ヒット後もメディアなどの表舞台で披露することはなく、非常に貴重な「怪獣」のパフォーマンスに、演奏後はまるでライブ全編が終わったかのような盛大な拍手と歓声が沸き起こる。
「怪獣」を聴くという緊張感から解放された会場はその後一気にボルテージが上がっていく。
「アルクアラウンド」に続く「モス」ではアップビートのロックナンバーにシンクしてレーザーが放たれ、「夜の踊り子」「アイデンティティ」「多分、風。」などヒットソングの数々を立て続けに披露。「アイデンティティ」は山口の「みんな歌える?」という煽りからスタート。会場全体が呼応するように大合唱に包まれ、この日最大の一体感が生まれた。
ヒートアップした会場をさらに煽るように、代表曲「新宝島」を披露。会場のボルテージは最高潮となった。
アンコール「ミュージック」では巨大LEDモニターの映像とメンバーのDJプレイによって一気にフロアはクラブに変化。サカナクションが放つ最先端のダンスミュージックに客席は大きく揺れた。
MCで山口はファンへの感謝と今後への期待を伝え、最後の楽曲「ナイトフィッシングイズグッド」へ。也止めまない大歓声と拍手の中、約8ヶ月に及んだ「SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”」の幕を閉じた。
サカナクションのパフォーマンスと緻密かつ斬新な映像表現を組み合わせた先鋭的な演出で構成された本ツアー。追加公演にもチケットの応募が殺到したことや、やむなく来場が叶わなかった多数のファンの声を受け、Kアリーナ横浜公演2DAYSは生配信が実施された。初日となる26日(火)は“体験版”として公演の前半をサカナクションオフィシャルYouTubeチャンネルにて無料で、ファンサイトとU-NEXTでは2DAYSの全編を有料にてリアルタイムで配信。YouTubeの同時接続は10万人を超え、有料配信と合わせるとのべ15万人以上が配信を視聴した。
集大成となる神奈川・Kアリーナ横浜2日目の千秋楽公演は、8月30日(土)18:00より10日間限定でアーカイブ配信を予定している。ファンサイトは「NF member」のFanstream、一般向けにはU-NEXTにて視聴可能。配信のためにステレオでの視聴環境に最適化した、イマーシブ感(没入感)のあるサウンドで楽しむことができる。是非この機会に、圧倒的なスケール感とクオリティーのライブパフォーマンスをお見逃しなくチェックしていただきたい。


フォトグラファー:後藤武浩