オルタナティヴ・ジャズ・シーンに彗星のように登場した
Shingo Suzuki(
Ovall)のソロ・プロジェクト“L.Y.P.S”が、今年の〈フジロック〉でも演奏された楽曲「In Black」を8月20日(水)に配信リリース。
メロウでいて緊張感があり、エレガントでありながらBGMになることを頑なに拒む――そんな東京のオルタナティヴ・ジャズを主張するShingo SuzukiによるL.Y.P.S(Liquid Yellow Portraits)は、Shingo Suzukiの音楽に共鳴したアーティストたちが楽曲ごとに集結し、ジャズやソウルを軸にしながらも型にハマらないサウンドメイクで楽曲を表現するプロジェクトです。
〈フジロック〉でも熱狂と共にオーディエンスに受け入れられた「In Black」は、ドラム、ベース、ピアノ、トランペットがプリミティヴに跳ね、混ざりあって豊かな表情を見せる2025年のライヴ / ジャム・セッション・シーンに響くジャズ・アンサンブル。
Shingo Suzuki(b)、
渡辺翔太(p)、守真人(ds)、
寺久保伶矢(tp)という卓越した技術と斬新なアイディア、ジャズに対する強い愛情を持つミュージシャンと、最新の機材を駆使し制作された本楽曲は、
マイルス・デイヴィスや
ハービー・ハンコックなどの60'sジャズのノリや空気感を持ちつつも、重心が下にあり、ビートのフィーリング、グルーヴ、パターンは
カッサ・オーバーオールや
ブッチャー・ブラウン、
黒田卓也のような今日的なセンスがミックスされています。ヒップホップやR&B、ジャズもクラシックもストリートも、リスナーの世代をも超えて巻き込む引力をもった躍動感あふれる本曲は必聴です。
[コメント]ベースラインリフ、アクセントにドラムのキックをシンクロさせて、キーボードでコードをのせてカラーをつけたシンプルでオーセンティックなアレンジは拡張性があって、ライブで特に映える曲だと思います。
同じリフにダイナミクスをつけたり、音の数を少なくしたり、多くしたり、ずらしたり。長短も自在に。そんなベーシックなアンサンブルに変拍子でコードが変わるパート、全体が展開するパートを加えて最後にメロディ部分を作りました。
Miles DavisやHerbie Hancockなどの60’sジャズのノリや空気感を持ちつつも重心が下にあり、ビートのフィーリング、グルーブ、パターンはKassa OverallやButcher Brown、黒田卓也のような今日的なセンスがミックスされた楽曲です。どんな楽器でもハマるこの曲はL.Y.P.SのいつものメンバーShingo Suzuki(Bass)、渡辺翔太(Piano)、守真人(Drums)、寺久保伶矢(Trumpet)でレコーディングされました。
マイナーコード基調で自由度が高い、ダークかつ遊び心もあるこの曲のスタジオレコーディングバージョンはストイックにベースとドラムがスピード感あるビートを刻む中で、歪んだエレクトリックピアノや生々しいサウンドのトランペットが自由にフロウし、相互反応、インタープレイを楽しめるバージョンのテイクです。
タイトルについて、はじめに思いついたのがBlack Swanでした。
常識を覆す象徴だったり、誰しもが持つ二面性だったりと面白い意味を多く持つ、前から好きな言葉でしたが、拡張させてIn Blackとして曲タイトルにしました。
アートワークをBlack Swanにすることで、聴き手に気づいてもらえたらいいな、と思っています。
歌詞がないインスト楽曲はより自由にタイトルをつけられるのがいいですよね。隠喩的に表現できて、聴き手の想像によって色々な印象に変化してゆく様がいいんです。――Shingo Suzuki