60年前となる1965(昭和40)年12月19日に、東京都世田谷区の玉川インターチェンジから神奈川県横浜市の保土ヶ谷インターチェンジを結ぶ有料道路、第三京浜道路が全線開通しました。
“第三京浜”は前年の1964(昭和39)年に玉川インターチェンジと神奈川県川崎市の京浜川崎インターチェンジ間が開通していましたが、その先の京浜川崎インターチェンジから保土ヶ谷インターチェンジが開通。これにより当時渋滞に悩まされていた東京・世田谷周辺から横浜方面への混雑も緩和され、信号の数が少ない、快適な経路として人気となりました。
日本初の上下各3車線の6車線からなる自動車専用道路で、日本で初めて水銀灯(道路照明灯)が全線に設置された自動車専用道路となった第三京浜は、その後、横浜新道と連絡し、首都高速神奈川2号線や7号線と接続するなど、年を追うごとに利便性を高めています。
ちなみに“第三”とあれば、第一、第二は何かと気になるところ。第一京浜は、東京の日本橋から横浜へ至る国道15号のうち、新橋から横浜の間の通称で(日本橋〜新橋は中央通り)、その一部は正月恒例の大学駅伝競走「箱根駅伝」のコースとしても知られています。
第二京浜は、旧東海道および京街道となる東京・日本橋と大阪を結ぶ国道1号のうち、東京の西五反田から横浜市神奈川区までの間を指し、第一京浜の補完ルートとして整備されました。通称“二国”(にこく)と呼ばれるこの道路の地下には、都営浅草線が走っています。なお、ムード歌謡歌手の
フランク永井は、1957年の大ヒット曲「有楽町で逢いましょう」の直前に「夜霧の第二国道」をヒットさせています。
さて、第三京浜について歌った楽曲ですが、ずばりタイトルに「第三京浜」を冠した楽曲を歌っているのは、
ユニコーンや
渚ようこ。ユニコーン「第三京浜」は、タイトルがナンバープレートを想起させ(ユニコーンの13枚目のアルバムで14曲収録の意)、ジャケットにスポーツカーが登場する、2016年発表のアルバム『
ゅ 13-14』(写真)に収録。
ABEDONが手掛けたドライブにマッチした軽快な楽曲となっています。
渚ようこの「第三京浜」は“クルマ”好きで知られる
クレイジーケンバンドの
横山剣が手掛け、クレイジーケンバンドとしてもセルフカヴァー(アルバム『
香港的士』に収録)。横山が実際に第三京浜を走行中に浮かんだという、シティ・ポップにもつながる洒落た歌謡曲風のメロディで綴られたこの曲は、白いクーペが夕暮れに東京から遠ざかっていく情景が浮かびます。
サザンオールスターズの
原由子は「嵐の第三京浜」を発表。同曲は「恋は、ご多忙申し上げます」などが収録された、原の1983年リリースの2ndソロ・アルバム『
Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd』で聴くことができます。
歌詞の中に“第三京浜”が登場する楽曲としては、
阿部真央「麹町」、
荻野目洋子「少年の最後の夏」、
織田裕二「OH! MY GOD」、
小泉今日子「プライヴェート」、
スキマスイッチ「リアライズ」、
DEEN「ROUTE 466」、
Def Tech「Surfer's Paradise」、
PUFFY「
ハッピーバースデイ」、
森山直太朗「Q・O・L」、
渡辺美里「サマータイム ブルース」などがあります。
そのほか、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の劇中アイドル・グループのGMT6は、「地元に帰ろう」で“第三京浜 乗りました 川崎方面へ”と歌っています。GTM6には能年玲奈(
のん)、
松岡茉優、
優希美青らが参加。同曲は『あまちゃん』の歌モノ・アルバム『
「あまちゃん」歌のアルバム』などで楽しむことができます。