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9月19日誕生!〜カーペンターズらの名曲を手掛けたグラミーウィナー ポール・ウィリアムズ

ポール・ウィリアムス(Paul Williams)   2025/09/19掲載
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カーペンターズの名曲を作詞したポール・ウィリアムズは、ほかにどんな曲を作っているのかおしえてください!
9月19日誕生!〜カーペンターズらの名曲を手掛けたグラミーウィナー ポール・ウィリアムズ
 9月19日は、シンガー・ソングライターや俳優として有名なポール・ウィリアムス(ポール・ウィリアムズ / Paul Williams)のバースデー。1940年にアメリカ・ネブラスカ州オマハにてポール・ハミルトン・ウィリアムズ・ジュニアとして生を受けたウィリアムズは、10代から役者を志し、俳優としてTVや映画に出演。1965年より放送され、たTVシリーズ『ザ・モンキーズ・ショー』のオーディションにもチャレンジしていました。

 1967年より作詞家としてのプロキャリアをスタートさせ、ロジャー・ニコルズとのコンビで数多くの楽曲を手掛け、1970年に自身初のアルバム『サムデイ・マン』を発表。翌1971年に移籍した〈A&M〉レーベルからは、『オールド・ファッションド・ラヴ・ソング』から1975年の『オーディナリー・フール』までアルバム5枚をリリースしました。その後もアルバムや映画のサウンドトラックなどを発表するほか、並行して俳優としても活躍。映画『ファントム・オブ・パラダイス』や『トランザム7000』シリーズ、TVドラマ『スタートレック』シリーズなどに出演し、2020年の映画『スーパーマン:レッド・サン』ではブレイアニック役を務めています。

 さて、ウィリアムズが手掛けた有名曲といえば、やはりニコルズと組んでヒットを放った楽曲たち。「サムデイ・マン」は1969年にザ・モンキーズが発表したシングル「リッスン・トゥ・ザ・バンド」にカップリング(B面)として収録され、ウィリアムズ自身のヴァージョンは、前述のソロ・アルバム『サムデイ・マン』の表題曲となっています。ロック・バンドのスリー・ドッグ・ナイトのヒット曲のなかでは、全米15位となった「アウト・イン・ザ・カントリー」がニコルズとのコンビによるものです。

 そして、何といってもウィリアムズとニコルズのコンビネーションの良さを発揮したのが、カーペンターズの楽曲。全米2位となった「愛のプレリュード」(We've Only Just Begun)や同じく2位の「雨の日と月曜日は」(Rainy Days and Mondays)、全米11位を記録した「愛は夢の中に」(I Won't Last a Day Without You)など、いまなお愛され続ける名曲を世に放っています。

 ニコルズとのコンビ以外では、スリー・ドッグ・ナイトでは、自身が作曲も手掛けた「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」やジャック・コンラッドが作曲した「ファミリー・オブ・マン」、「私は女」など3曲で全米1位となり、オーストラリア人として初めてグラミー賞を受賞したヘレン・レディの「ユー・アンド・ミー」(You and Me Against the World)、そして、バーブラ・ストライサンドが作曲し、1976年の映画『スター誕生』の主題歌となった「スター誕生の愛のテーマ」(Evergreen)は、全米1位を記録。同曲でグラミー賞最優秀楽曲賞とアカデミー歌曲賞を受賞しました。

 1979年公開の『マペット』シリーズ(マペット・ムービー)の長編映画第1作『マペットの夢みるハリウッド』の挿入歌として、『セサミストリート』にも登場するカエルのマペット“カーミット”が歌った「レインボウ・コネクション」は、全米25位とヒット。その後、カーペンターズもカヴァーし、カーペンターズ版は、2001年の渡部篤郎主演ドラマ『恋がしたい恋がしたい恋がしたい』の主題歌に起用。もともとは生前に残した妹カレンの音源を、兄リチャードによって完成させたカーペンターズの未発表曲でしたが、本ドラマの主題歌で初めて公開となったことも話題となりました。

 また、世界20ヵ国以上でチャート1位を記録し、第56回グラミー賞にて最優秀アルバム、ベスト・ダンス / エレクトロニカ・アルバム、ベスト・エンジニア・アルバムを受賞(先行シングル「ゲット・ラッキー」も年間最優秀レコード、ベスト・ポップ・デュオ / グループ・パフォーマンスを受賞)した、ダフト・パンクの傑作アルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』において、ウィリアムズは「タッチ」「ビヨンド」に共作で参加。「タッチ」ではヴォーカルを務めています。

 2010年からは米国作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)の会長にも就任。数多くのポップ・クラシックスを生み出し、アメリカ音楽界で大きな功績をあげたポール・ウィリアムズの楽曲を、バースデーに聴いてみてはいかがでしょうか。

(写真はポール・ウィリアムス自身選曲によるA&M時代のベスト・アルバム『A&Mグレイテスト・ヒッツ』)
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