11月5日、レゲエを取り入れた佐野元春の名クリスマス・ソング「CHRISTMAS TIME IN BLUE -聖なる夜に口笛吹いて」の40周年記念盤がリリースされました。真冬の祝祭にカリブの陽気な音楽の組み合わせは、当時日本では異色でしたが、今では和製クリスマス・ソングのスタンダード。今回は、そんな南国ムードあふれるオリジナル・クリスマス・ソングをリサーチ。時代や国を超えて独断と偏見で10曲ご紹介します。
■佐野元春「CHRISTMAS TIME IN BLUE -聖なる夜に口笛吹いて」 レゲエのリズムに乗せて登場するのは、クリスマスの煌びやかな街を、人波に流されるように歩く一人の青年。陽気な曲調を背に、どこかお祭りムードに乗り切れない主人公が描かれますが、次第に曲調も歌い口も熱を帯びていき、サビでは“うまくやれる人も しくじってる人も”と、すべての人にメリークリスマスの祝福を贈ります。オリジナルは1985年に12インチでリリース。A面に収録されたダブ・ミックス版はよりトロピカルなアレンジで楽しめます。アルバムでは『Cafe Bohemia』(1986)に収録。
■村田和人「FLYING SANTA CLAUS」 シティ・ポップ・シーンの代表格が1988年に発表したアルバム『GO POP』の収録曲。電子音によるポコポコとしたリズムや、ボサ・ノヴァ・ギターが彩るドリーミーなサウンドにのせて、昔の恋に捉われている人の背中を押す、傷心の年末にも穏やかに沁みるナンバーです。
■ピエール・バルー「Ce jour la」 仏のインディ・レーベル「サラヴァ」の創始者であり、YMOの面々をはじめ、日本の音楽家たちとの交流の深いピエール・バルー歌うジャズ・サンバのクリスマス・ソング。ピエール・バルーの囁くような歌唱と、優雅なギター、心躍るリズムは時代を超えたお洒落さに満ちています。細野晴臣や大貫妙子が参加する1983年のクリスマス・コンピ「WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS」や84年のアルバム『シエラ』に収録。