リサーチ

南国ムードのオリジナル・クリスマス・ソングでHOTな年末を過ごしたい

佐野元春   2025/11/05掲載
はてなブックマークに追加
「CHRISTMAS TIME IN BLUE -聖なる夜に口笛吹いて」みたいなトロピカルなクリスマス・ソングを教えてください。
 11月5日、レゲエを取り入れた佐野元春の名クリスマス・ソング「CHRISTMAS TIME IN BLUE -聖なる夜に口笛吹いて」の40周年記念盤がリリースされました。真冬の祝祭にカリブの陽気な音楽の組み合わせは、当時日本では異色でしたが、今では和製クリスマス・ソングのスタンダード。今回は、そんな南国ムードあふれるオリジナル・クリスマス・ソングをリサーチ。時代や国を超えて独断と偏見で10曲ご紹介します。

■佐野元春「CHRISTMAS TIME IN BLUE -聖なる夜に口笛吹いて」
 レゲエのリズムに乗せて登場するのは、クリスマスの煌びやかな街を、人波に流されるように歩く一人の青年。陽気な曲調を背に、どこかお祭りムードに乗り切れない主人公が描かれますが、次第に曲調も歌い口も熱を帯びていき、サビでは“うまくやれる人も しくじってる人も”と、すべての人にメリークリスマスの祝福を贈ります。オリジナルは1985年に12インチでリリース。A面に収録されたダブ・ミックス版はよりトロピカルなアレンジで楽しめます。アルバムでは『Cafe Bohemia』(1986)に収録。



ブライアン・アダムス「レゲエ・クリスマス」
 年明けに3年ぶりの来日公演も開催するカナダのロック・アーティスト、ブライアン・アダムスが、1984年にリリースしたクリスマス・シングル。日本では先述の佐野元春のシングルと同じ1985年に発売されましたが、こちらはジャマイカ・キングストンで過ごすクリスマスを歌った陽気なナンバー。「新年をレゲエで迎えよう!」なんて歌っていて、羨ましいくらい楽しそうです。



村田和人「FLYING SANTA CLAUS」
 シティ・ポップ・シーンの代表格が1988年に発表したアルバム『GO POP』の収録曲。電子音によるポコポコとしたリズムや、ボサ・ノヴァ・ギターが彩るドリーミーなサウンドにのせて、昔の恋に捉われている人の背中を押す、傷心の年末にも穏やかに沁みるナンバーです。



ナツ・サマー「トロピカル・クリスマス」
 クニモンド瀧口のプロデュースによる2nd EP『トロピカル・ウィンター』(写真)に収録。“シティポップ・レゲエ”を標榜するナツ・サマーらしく、UKラヴァーズロックと歌謡曲の情緒がミックスされたメロウなクリスマス・ソングです。甘いコーラスやベースラインにちらつく鈴の音は、パーティーのほろ酔い気分にもぴったり。

米米CLUB「Christmas Honeymoon」
 1992年のクリスマス・シーズンに発表されたアルバム『聖米夜』に収録。ストリングスとパーカッションが織りなす優雅なファンカラティーナ・サウンドにのせて、石井竜也がしっとり歌い上る名バラード。『聖米夜』には、冬の星座をモチーフにした愛の歌「ORION」やコーラスのマチコがヴォーカルを務める「ガラスの月」など、ウィンター・ソングの名曲が並びます。

オーガスタ・ダーネル「クリスマス・オン・リヴァーサイド・ドライヴ」
 米米CLUBも多大なる影響を受けた、キッド・クレオール&ザ・ココナッツドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンドを率いたキッド・クレオールことオーガスタ・ダーネルが1981年に発表したクリスマス・ソング。トロピカル・ディスコの元祖らしく、ギター、シンセの音色に常夏感があふれ、オーガストらしいプリミティヴな女性コーラスも盛り上げるまさにトロピカル・クリスマス・ソングの決定盤です。本作が収録されたニューヨークのニューウェイヴ / ディスコ・レーベル「ZE」のクリスマス・コンピには、ザ・ウェイトレスィズの「クリスマス・ラッピング」など、ニューウェイヴィなクリスマス名曲が満載。



ウッド・ビー・グッズ「クリスマス・イン・ハイチ」
 英国の美人姉妹ネオアコ・ユニット、ウッドビーグッズの2ndアルバム『MONDO』に収録。マンゴーの木の下でラム酒を飲みながら過ごす南国のクリスマスを、アコーディオンが賑やかなサウンドと2人の爽やかなハーモニーでポップに描いています。



シンディ・ローパー「クリスマス・コンガ」
 1988年に発表されたシンディのクリスマス・アルバム『メリークリスマス・・・ハヴ・ア・ナイス・ライフ!』に収録。キューバのお祭り音楽とその源流となるアフリカの祝祭感が、チープなディスコ・サウンドと出会いシンディのキッチュさを引き立てます。



ピエール・バルー「Ce jour la」
 仏のインディ・レーベル「サラヴァ」の創始者であり、YMOの面々をはじめ、日本の音楽家たちとの交流の深いピエール・バルー歌うジャズ・サンバのクリスマス・ソング。ピエール・バルーの囁くような歌唱と、優雅なギター、心躍るリズムは時代を超えたお洒落さに満ちています。細野晴臣大貫妙子が参加する1983年のクリスマス・コンピ「WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS」や84年のアルバム『シエラ』に収録。

サボテン高水春菜「シロクマ トコナツ クリスマス」
 テレビ東京系の赤ちゃん番組『シナぷしゅ』12月の月うたとして2022年に番組内でオンエア。南国のさまざまなリズムで展開する楽しいクリスマス・ソングで、ピアニカの音色や柔らかな歌唱は、大人もリラックスできます。配信アルバム『シナぷしゅのうた 4』に収録。



 凍えるような寒さが続き、自然の色味も寂しくなっていく冬だからこそ映えるトロピカルなサウンド。陽気なサウンドは心を温め、ホリデー・シーズンに向けた高揚感も高めます。今年は是非南国ムードのクリスマス・ソングで年末を迎えてみてはいかがでしょう。
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] デビュー20周年 再始動を告げる新作EP 音速ライン[インタビュー] 私は私にできることを歌にしていく ゆっきゅんのニューEP
[インタビュー] 来日公演を目前に控え、孤高のソウル・シンガーが発表する17年ぶりの新作『PRAYER』 リアム・オ・メンリィ[インタビュー] 今春のカルテットでのツアーを録音した『FRAGMENTS - CONCERT HALL LIVE 2025』を発表 松井秀太郎
[インタビュー] 友成空の大ヒット曲「鬼ノ宴」が湖池屋とコラポレーション クセになる辛さの「ピュアポテト 鬼ノ宴」誕生[インタビュー] オーケストラとともに過去・現在・未来を紡ぐ活動40周年記念アルバム『RE-BORN』 千住明
[インタビュー] 自らの本名を冠したセカンド・アルバム完成! 今作に込めた想いとは― 粗品[インタビュー] 千花音×みやけん 豊かな才能の交錯が生みだしたもの
[インタビュー] 広分野で活躍するヴァイオリニストが、みずからのレーベルから第一弾アルバムを発表 廣津留すみれ[インタビュー] 田中彩子 クラシックや映画音楽などでファンタジーの世界を描き出すリサイタル・ツアーを開催
[インタビュー] 大好きな街、小田原への愛を込めた「O・DA・WA・LOVE」配信リリース emily hashimoto[インタビュー] ギターミューズRei デビュー10周年 初のベスト・アルバム発売
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015