滝廉太郎から木下牧子まで、日本歌曲の変遷が概観できるアルバムだ。80歳から日本歌曲のCDを作り始め、これが3枚目となる。相変わらず声は健在で、大ベテランならではの味わい深い世界が広がっている。

グレン・グールドによる、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を収録（1955年録音）。ベストセラーを繰り出した録音の復刻版。作品に新たなスポットライトを当てた鮮烈なヒット盤を、さらに豊かなサウンドで聴かせる一枚だ。

スペインのバロック・ヴァイオリニスト、ボネのアルバムは、ヴィヴァルディとピアソラの「四季」。ヴィヴァルディは情感豊かに四季を歌い分け、ピアソラの方では、アルゼンチン・タンゴの名手たちと刺激的な演奏を繰り広げる。

ウィーン・フィルの首席フルート奏者アウアーによる、彼が長年愛奏してきた作品を収録している。とりわけ尾高の協奏曲はアウアーが絶賛する作品で、信頼する沢木とともに見事な演奏を繰り広げている。

フランチェスカッティは、初めて「メン／チャイ」のカップリングで大ベストセラー盤を出した人物。このワルター指揮のベートーヴェンも大好評だった。フランチェスカッティの演奏は好みが分かれるが、独特の美しさがある。

2022年のARDミュンヘン国際コンクール1位を獲得したバービカンQのデビュー・アルバム。ヤナーチェク、シューマンを見事に弾き分け、最優秀解釈賞をとったタバコヴァの独特の世界など、優れた表現力をみせている。

イザベル・ファウストのソロによるブリテンのヴァイオリン協奏曲を収録。フルシャ指揮、バイエルン放送響と対峙する。「起床ラッパ」や組曲、「2つの小品」なども収録し、ブリテンの鮮烈な才気を感じられる一枚となっている。

ARDミュンヘン国際コンクールにてベヒシュタイン特別賞受賞記念で録音された、オーバーマイヤーのデビュー・アルバム。シューマン、ラヴェル、自作、ショパンに、ゴドフスキーと、オーバーマイヤーの表現力が聴きもの。

ワルター最晩年の録音。マーラーの第9番は、ウィーン・フィルとの名演が名高いが、このコロンビア響との演奏もまた、名演として語り継がれている。初演を指揮したワルターならではの、他の追随を許さぬ演奏だ。

児玉姉妹と麻里の夫であるケント・ナガノとの共演によるモーツァルトとプーランクという話題の一枚。さらに3台のピアノでは娘のカリンも参加し、一族で楽しい演奏に。しかも、バックにはスイス・ロマンドと、文句なしだ。

楽壇の帝王、ヘルベルト・フォン・カラヤンの美しい癒しの名曲をコンパイルしたコンピレーション・アルバム。カラヤンとベルリン・フィルが遺した膨大なクラシックの名演から、“心に安らぎを与える”名曲ばかりが堪能できる。

クロスオーヴァーなアコーディオン奏者の佐藤芳明は、現代音楽、クラシック、民族音楽などさまざまなジャンルの音楽に演奏家としてアプローチしてきた音楽家だ。佐藤のいわば集大成的な意味をも持つアルバムになっている。

胎教関係のCD。CD2枚に妊娠期と出産後の赤ちゃんのための音楽を収録している。しかしこれは、赤ちゃんだけのためのものでなく、母親と父親のためのアルバムでもある。大変な時期にともに癒しとなる作品だ。