これまでにジャイルス・ピーターソン主宰の〈We Out Here Festival〉や〈SXSW〉、〈EFG London Jazz Festival〉などにも出演を果たし、「Soul Jazz Records」や「Majestic Casual」のコンピレーションにも名を連ねるUKのジャズ・バンド、エビ・ソーダ(Ebi Soda)が9月19日(金)にリリースする最新アルバム『frank dean and andrew』より3rdシングル「milk in my console」を公開しました。
「milk in my console」は煌めくようなシンセの音と不穏な鼓動から始まり、浮遊感のあるベースラインと力強くタイトに引き締まったドラムを加え、曲の緊張感を徐々に高め、どこか繊細かつミステリアスなムードを纏った仕上がりに。バンドは「この楽曲は、今回のアルバムの中でも“奇妙な緊張感”が最も強く表れたもの。シンセのフレーズから、骨の奥まで響くようなメロディまで、すべてがミステリアス。でも、この雰囲気はUKジャズではとても珍しいものなんだ。ただただ体感してほしい。特に後半に登場するJames Akers(サックス)の情熱的なソロは圧巻だよ」とコメントしています。
南イングランドにある田舎の借家に篭って行なわれた即興セッションから生まれたという最新アルバム『frank dean and andrew』は、ジャズの枠を超え、エレクトロニクス、ポストパンク、グライム、ダブといったあらゆるジャンルの要素を大胆に取り入れた作品。制作を振り返り、バンドは「このアルバムは、激しい浮き沈みのあった1年の終わりに録音された。音楽にはその緊張感が奇妙な形で表れている… 楽曲の持つ感覚はとても特殊で風変わり。UKジャズの多くはアレンジが整いすぎていたり、全体的に楽観的なムードになりがちだけど、このアルバムはあらゆる面でその逆を行っている」とコメント。
アルバムの中心となる楽曲「red in tokyo」では、中国系・ベトナム系イギリス人ラッパー、ジアンボーが参加。唸るギターと鋭角的なドラムの上に、グライム風の歪んだフロウが切り込んでくる同曲について、ジアンボーは「東京での緊迫した瞬間を語った」とし、バンドは「グライム的な怒りにノーウェーブやポストパンクの要素を混ぜたような感じ」と説明しています。
ほか、ダビーなベースラインと動物的なノイズが交錯し、奇妙で不穏な音世界を描きだした「horticulturalists nightmare (birds)」、ブリアルのような陰鬱なサウンドとエフェクトが絡み合う「grilly」、現代的な無関心さや、“家にこもっている感じ”の空気感を表現したタイトル曲、混沌としたノイズと即興演奏から始まり、最終的に希望を感じさせるメロディへと昇華するラスト曲「insectoid creatures are infesting the land」など全11曲を収録しています。
[収録曲] 01. bamboo 02. horticulturalists nightmare (birds) 03. grilly 04. toucan 05. milk in my console 06. location 07. feely 08. red in tokyo feat. Jianbo 09. when pluto was a planet and everything was cool 10. frank, dean and andrew 11. insectoid creatures are infesting the land