国内外の一流アーティストがゴールデンウィークに集結し、低価格・短時間のコンサートを次から次へと展開する革新的なクラシック音楽の祭典“ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭”(以下、LFJ)。フランスの港町ナントではじまり、2005年に日本に初上陸したLFJは、その後、金沢、新潟、びわ湖での開催が実現し、今年は全国5都市で開催されます。
なかでもひときわ注目されているのは、今年はじめて九州で開催されることになった“ラ・フォル・ジュルネ・鳥栖”。東日本大震災の影響で、東京をはじめ各地のLFJに大幅な変更が出ているなか、鳥栖では予定どおり5月6日(金)と7日(土)に本公演が行なわれます(ただし多少の内容変更は出る可能性があるとのこと)。
LFJの新たな舞台となる佐賀県・鳥栖市は、九州の交通の要所として知られる人口約7万の都市。LFJの芸術監督であるルネ・マルタンが、この地をはじめて訪れたのが2010年の春でした。豊かな自然、そして橋本康志市長の音楽文化への強い想いに心打たれたマルタンは、即座にこの地での音楽祭開催を決意、今年の開催にこぎつけました。
今年3月12日に九州新幹線が開通し、博多駅から“LFJ鳥栖”の最寄り駅である新鳥栖駅までの新幹線での所要時間は約15分に短縮されました。九州の交通の要衝として、ますます活力を増す鳥栖市。音楽祭期間中、鳥栖市には九州全域から多くの音楽ファンや家族連れが集うことでしょう。本州の皆さんにとっても、開通したばかりの九州新幹線に乗る絶好のチャンスです!
さてLFJ鳥栖のテーマは“ウィーンの
ベートーヴェン”。鳥栖市には、第二次世界大戦中、若き特攻隊員がその死の直前にベートーヴェンの「月光ソナタ」と「海ゆかば」を弾いた“フッペルのピアノ”が残されています。映画『月光の夏』は、この楽器のエピソードを元に作られました。
LFJ鳥栖は、この戦時中のエピソードにオマージュを捧げるため、ベートーヴェンの「月光ソナタ」で幕を開け、この曲でフィナーレを迎えます。最初に「月光」を弾くのは、ロン=ティボー国際ピアノ・コンクールの優勝者、
野原みどり。フッペル鳥栖ピアノ・コンクールで審査員を務めたピアニストで、2005年にリリースしたCD『月光』は、このフッペルのピアノを使って録音されました。
また、ヴァイオリニストでテレビでも大活躍の
川井郁子の出演も急遽決定! 川井郁子の母親が鳥栖出身であることから、出演が実現することになりました。
音楽祭の主催者は「日本各地での文化活動が震災の影響で中止を余儀なくされているなか、LFJ鳥栖は被災地からもっとも遠い開催地として元気に、そして盛大に行なわれ、 日本のみなさまに少しでも元気や希望を発信していかねばならない、と切に思っています」と意気込みをみせています。
皆さんもゴールデンウィークの九州に、音楽の力をもらいに行きませんか?