この秋、イタリアからふたりの注目すべきイタリア人ピアニストが来日、“鍵盤上のスーパーイタリアン〜21世紀にイタリアが放つ驚異〜”と題して3つのコンサートが開催されます。
ひとりは、
フランチェスコ・リベッタ(Francesco Libetta)。10月29日(火)19:00より東京・浜離宮朝日ホールにてピアノ・リサイタルが開催されます。
プログラムは“バロックから現代に至るまでのイタリア音楽史”と称するべき内容で、前半はバロックから古典、後半は近代から現存のシンガー・ソングライターまでも含んでいます。どれだけ広範な音楽的な知識を持っているのか見当がつかないリベッタによる“イタリア尽くし”の一夜は、誰も実現し得ない魅力的な一夜になることでしょう。
もうひとりは、
ヴィンチェンツォ・マルテンポ(Vincenzo Maltempo)。11月2日(土)18:00より横浜みなとみらいホール・小ホールにて、
アルカンの傑作「すべての短調による12のエチュード 作品39」を演奏します。
アルカンは今年生誕200周年を迎えるフランスの作曲家。彼の「作品39」は同じ12曲からなるリストの「超絶技巧練習曲集」の2倍以上の演奏時間を要し、ピアノ独奏のための交響曲、協奏曲という野心作が含まれる大作です。全曲が一夜で演奏されるのは首都圏では約30年ぶりとなるので、まさに稀有な体験となるはず。カッコいいピアノ曲と出会いたい方、音楽を聴いて元気を得たい方には特にお勧めです。
さらにリベッタとマルテンポ、ふたりによる2台ピアノのコンサートが、10月31日(木)19:00より東京・浜離宮朝日ホールにて開催。リストによって編曲された
ベートーヴェンの「第九」を披露します。
おそらく世界で「第九」が最も演奏されているのは日本ですが、「第九」のリストによる2台ピアノ版は、存在は知られても、実演で聴く機会は首都圏でも年に一度あるかどうかです。2台版の良さは、ふたりだけで明確な意思統一を形成して演奏できるところにあり、何度も共演して気心知れているリベッタとマルテンポによる演奏は、“2台のピアノで弾いている”以上の効果を上げるに違いありません。年末の「第九」シーズンの前に、一味違った2台ピアノ版はいかがでしょう?