音楽監督
アラン・ギルバート率いる
ニューヨーク・フィルハーモニック(以下、NYフィル)が、2014年2月6日から19日まで、冬のアジア・ツアーを行なうことが発表されました。
2週間にわたるツアーは、NYフィルがギルバートの指揮のもと行なう7度目の海外ツアーにあたり、3ヵ国――韓国(ソウル)、日本(名古屋・大阪・東京・横浜)、台湾(台北)――にて計10公演が予定されています。
ソリストとして同ツアーに参加するのは、
イェフィム・ブロンフマン(ピアノ / 東京・台北公演)、リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン / 東京・台北公演)、ダ・ソル・キム(ピアノ / ソウル公演)、
小曽根真(ピアノ / ソウル・大阪・東京・横浜公演)です。
2014年冬のアジア・ツアーのレパートリーには、アメリカ出身の作曲家、楽団の現・旧コンポーザー・イン・レジデンス、そして今年生誕100年を迎えたブリテンの作品などが織り交ぜられています。
ツアーはソウルで演奏される
ベートーヴェンの『フィデリオ』序曲でスタート。同曲は東京では、ベートーヴェンの交響曲第1番とともに取り上げられます。ソウルではさらに、ソリストにダ・ソル・キムを迎え、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番が演奏されたのち、
チャイコフスキーの交響曲第5番が続きます。チャイコフスキーの同曲は名古屋、大阪、東京、横浜、台北でも取り上げられます。
東京・台北では、
リサ・バティアシュヴィリをソリストに迎え、
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番、そしてイェフィム・ブロンフマン(マリー&ジェームス・G.ウォラック記念アーティスト・イン・レジデンス)をソリストに迎え、マグヌス・リンドベルイのピアノ協奏曲第2番が演奏されます。後者はNYフィルの委嘱により、楽団の本拠リンカーン・センターのエイヴリー・フィッシャー・ホールにて2012年10月に世界初演され、同年カリフォルニア・ツアーにて再演されました。バティアシュヴィリとブロンフマンは、アジア・ツアー直前の2014年1月にもニューヨークにてNYフィルと共演します。
また、今回のアジア・ツアーはアメリカ出身の作曲家の作品を紹介する機会ともなっています。クリストファー・ラウス(マリー=ジョゼ・クラヴィス記念コンポーザー・イン・レジデンス)の「狂喜」は2014年1月にニューヨークで演奏されたのち、ソウル・名古屋・東京・横浜・台北で披露されます。
ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」はソウル、東京、台北にて、NYフィルの桂冠指揮者
バーンスタインの「シンフォニック・ダンス」(『ウエストサイド物語』より)はソウル、名古屋、東京、東京、台北にて演奏されます。ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」はピアニスト小曽根真との共演でソウル、大阪、東京、横浜にて演奏されます。
1842年に創設され、2012年に170周年を迎えたアメリカ最古のオーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニックのサウンドをぜひ体験してみてください!
写真:アラン・ギルバートと小曽根真(c:K.Miura)