1910〜20年代にアメリカで起こった被曝事件と放射線汚染を描いたドキュメンタリー映画『ラジウム・シティ〜文字盤と放射線・知らされなかった少女たち〜』が4月13日(月)より、東京・渋谷アップリンクほかにて全国順次公開。オフィシャル・サイト(
www.radiumcity2015.com)では予告編を観ることができます。
本作が公開されるきっかけとなったのは、
Phewと小林エリカによる共同プロジェクト“
Project UNDARK(プロジェクト・アンダーク)”によるアルバム
『Radium Girls 2011』。トラック制作を
クラスターのメビウスが手がけ、ゲストとして
後藤まりこ、アチコ(
Ropes、
WUJA BIN BIN)らも参加しているこのアルバムをふたりから受け取った「boid」主宰・樋口泰人が、ベースとなった“ラジウム・ガールズ”を描いたドキュメンタリー映画の存在を知り、公開を決めたとのこと。「誰もがイメージする公害や労災の訴訟の際の、どこか悲痛な空気を、彼女たちは持たない。(略)最悪の事態のその暗闇の中で、彼女たちは自然発光する。力強ささえ感じた」(樋口)と語るフィルムの上映は、3年の時を経て実現しました。
なお、渋谷アップリンクではPhewのライヴ付き上映のほか、小林エリカ、
ピーター・バラカン、大澤真幸らによるトークショーなど、イベントの開催も続々と決定しています。
映画に出てくる、ショートボブにパンツルックの女の子たちの、パーマネントのあたった髪に洒落た帽子や靴、毛皮の襟巻きで着飾った女性たちの写真は、なんとなく思い描いていた質素な服装にひっつめた髪の女子工員というイメージからかけはなれていた。――Phewかつて工場で働いた少女、その家族や生存者たちにインタビュー、その街に暮らす人々、街そのものに残されている目には見えない放射性物質。ただ淡々と丁寧かつ執拗な調査を積み上げてゆく手法と美しい映像のこの映画に、私は釘付けになった。――小林エリカ2012年5月、Phew と小林エリカのふたりから届けられたアルバムの、「ラジウム・ガールズ」たちの物語に衝撃を受けた。聞けばそのアルバムの発想の元になった映画があるという。古いドキュメンタリーだった。だがそこに映る彼女たちは、まるで未来のわたしたちの姿のようでもあった。なんとしてでもこの映画を公開しなくてはと思った。そして3年が過ぎた。――樋口泰人(boid主宰)