グラスになみなみと注がれる琥珀色のビール、キンキンに冷えたビール缶をつたう水滴……。ビールをじっと映しただけのシンプルな映像にもかかわらず、やたらと五感が刺激されるキリンのプレミアム・ビール「キリンブラウマイスター」のCM。クラシカルで落ち着いた雰囲気も素敵で、見ればビールが飲みたくなること必至の映像ですね。
そんなCMにさらに彩りを添えているのが、
美空ひばりが歌うジャズ風のナンバー。これは、香港を舞台に、イギリスと中国人の混血の女医とアメリカの通信記者のロマンスを描いた映画
『慕情』(1955年、アメリカ)と同名タイトルの主題歌「慕情 Love is a many-splendored thing」のカヴァーになります(写真の
『ラブ! ミソラ ヒバリ〜ジャズ&スタンダード コンプリート コレクション 1955-1966』などに収録)。ジャズの洒落てしっとりした雰囲気の中に、昭和歌謡テイストのひばり節をそこはかとなく感じさせていて、オリジナリティあふれる歌唱は、さすがのひと言に尽きますね。
原曲は、ポップ・コーラス・グループの
ザ・フォー・エイセスが歌い、アカデミー主題歌賞を受賞したことでもたいへん有名となったジャズの名曲。したがってカヴァーをしたアーティストも多く、今回の美空ひばりのほかにも、最近では
綾戸智絵、世界的なところではジャズの名匠
ナット・キング・コールのヴァージョンでも有名ですね。興味の湧いた方はいろいろと聴き比べてみるのはいかがでしょうか? もちろんゆったりとビールを味わいながら。
※ 記事は掲載日時点での情報をもとに書かれています。掲載後に生じた動向、および判明した事柄等は反映しておりません。ご了承ください。