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9月10日は「球都桐生の日」〜桐生出身のアーティストもピックアップ

2025/09/10掲載
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群馬県桐生市出身の野球選手やアーティストが知りたいです!
9月10日は「球都桐生の日」〜桐生出身のアーティストもピックアップ
 群馬県桐生市は古くから絹織物の盛んな街として知られ、江戸時代には日本の織物産地の代表格として「西の西陣、東の桐生」と京都の西陣織と並び称されるほど栄え、“織都”(しょくと)のひとつに数えられていました。その“織都”になぞらえてか、桐生市は野球が盛んな街“球都”として、“きゅう(9)と(10)”の語呂合わせにちなんで、2022年に9月10日を「球都桐生の日」に制定しています。

 “球都”と称するゆえんとしては、(1)桐生中学校(現・群馬県立桐生高等学校)の全国中等学校優勝野球大会(現・全国高等学校野球選手権大会)初出場を機に野球熱が盛り上がったこと、(2)戦後になって初めてのプロ野球東西対抗戦が、1945年11月23日の神宮球場の初戦に続いて翌24日に新川球場(現・新川公園)で行なわれたこと(プロ野球東西対抗戦より前の11月18日には、“青バット”の名で終戦直後の日本球界を代表した大下弘が在籍した新興プロ野球球団のセネタースと全桐生が対戦し、事実上戦後のプロ野球チームとして最初の試合を開催しています)、(3)桐生市内の高校5校が甲子園に出場していること、(4)新川球場跡が日本野球聖地・名所150選に認定されたこと、(5)高校野球、大学野球、プロ野球、社会人野球、還暦野球といった各カテゴリーにて日本一の監督を輩出していること、などがその理由となります。全国的に見ても随一の野球関連の実績を持ち、地域や市民と野球との関係性が非常に強い街として“球都桐生”の名が広まりました。

 桐生市出身の野球選手として、まず名前が挙がるとすれば、渡辺久信でしょう。“ナベQ”の愛称で親しまれ、球界を代表する本格派右腕として西武ライオンズやヤクルトスワローズで活躍。日本で現役引退した後は、台湾のプロ野球・嘉南勇士でコーチ兼任投手として最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、台湾球界を代表する投手にもなりました。

 そのほかでは、樹徳高校で甲子園に出場し、日本大学を経て、社会人時代は東芝府中で都市対抗野球で勝利を挙げ、千葉ロッテマリーンズ、東北楽天ゴールデンイーグルスで投手を務めた戸部浩や、浦和学院から早稲田大学へ進み、各年代別の日本代表にも選出されるなど早くから期待され、2022年に埼玉西武ライオンズからドラフト1位指名された蛭間拓哉、桐生市立商高時代に甲子園に出場し、平成国際大学を経てBCリーグへ入団して以来、最多打点やベストナイン、MVPといったタイトルを獲得し、アメリカ独立リーグにも在籍した“独立リーグのレジェンド”こと井野口祐介(群馬ダイヤモンドペガサス)などが桐生市出身です。

 高校野球での活躍も著しく、桐生市内の5校が甲子園へ出場。1927年の第13回大会から桐生中として出場を重ね、春12回・夏14回の出場を誇る“桐高(きりたか)”こと桐生高校。春2回・夏2回出場した“桐工(きりこう)”こと桐生工業高校。2002年に夏の甲子園初出場を果たし、前述の井野口の出身校でもある“桐商(きりしょう)”こと桐生市商業高校。これら公立勢に加え、夏3回出場を数え、前述の戸部や北海道日本ハムファイターズや横浜DeNAベイスターズでも活躍した菊地和正らを輩出し、オールドファンには「アルプス一万尺」の応援でもなじみのある樹徳高校、1991年の選抜高校野球大会に初出場以来、春6回・夏9回出場し、1999年には左腕エースの正田樹、一学年下の一場靖弘とのちにプロ入りを果たす投手を擁して夏の甲子園の頂点に立った“桐一(きりいち)”こと桐生第一高校の私立勢が、これまでに甲子園で多くの熱戦を繰り広げてきました。

 春の“センバツ”では、コロナ禍の影響により交流試合となった2020年の第92回大会に出場した桐生第一、夏の大会では2022年の第104回大会に出場した樹徳を最後に、桐生市内の高校の甲子園出場がストップしています。近年の群馬県代表は、実力はもちろん、出場して校歌が流れるたびに“Be together”の歌詞がSNSなどで話題となる健大高崎が席巻していますが、ふたたび“球都桐生”の甲子園での活躍にも期待したいところです。

 ちなみに、桐生市の代表的なアーティストは、「東京のバスガール」などのヒットを放ち、『NHK紅白歌合戦』に5回連続出場を果たした初代コロムビア・ローズをはじめ、それぞれの活動に加えて、童謡・唱歌を中心としたコンサートを精力的に行なっている安田祥子由紀さおり姉妹は桐生市生まれ。「夏の日の1993」のヒットで知られるclassのメンバーの津久井克行や、東京パフォーマンスドールで活動中にソロでリリースした「恋しさと せつなさと 心強さと」でブレイクし、2022年末の『紅白歌合戦』で同曲を披露したことも話題を集めた篠原涼子など、日本歌謡のトップシーンを賑わせた面々がそろっています。

 そのほかにも、片桐会片桐流民謡の家元で育ち、MAY'Sのヴォーカリストとして「I LOVE YOUが言えなくて」「I WISH」「ONE LOVE〜100万回のKISSでアイシテル〜」などのラヴソング・ヒットをもつ“舞こりん”こと片桐舞子や、名門レーベル〈デッカ〉初の日本人ジャズ・アーティストとして全米デビューを果たしたジャズ・ピアニストの山中千尋、2020年のApple Musicベストソング100に選出された「マインド魂」やチリ、メキシコ、アルゼンチンなど中南米諸国を中心に世界各国でトップチャートにランクインした「NO WAY」などで注目され、大沢伸一MONDO GROSSOとのコラボレーション“DONGROSSO”も話題となった森とチョモによるユニット“どんぐりず”も、桐生を“レペゼン”するアーティストたちです。

(写真は1995年8月リリースの篠原涼子のアルバム『レディ・ジェネレーション〜淑女の世代』)
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