クールな二枚目からコミカルな役まで幅広い演技で人気を博しているダンディな俳優の
草刈正雄は、9月5日がバースデー。1952年9月5日に現在の福岡県行橋市にて米軍人の父と日本人の母との間に生を受けた草刈は、17歳で上京。1970年に資生堂の専属モデルとなり、資生堂の男性化粧品「MG5」のCMでデビューを果たしました。甘いルックスと軽妙な語り口ですぐさま人気モデルとして活躍すると、音楽番組の司会などを経て、1973年のドラマ『トリプル捜査線』で俳優へ転向。以来、数多くの映画やドラマに出演しています。
2010年代以降は、ドラマでは大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』『真田丸』、連続テレビ小説『なつぞら』『ちむどんどん』のほか、『民王』『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』『正直不動産』、映画では『篤姫ナンバー1』『体操しようよ』『記憶にございません!』『大河への道』『キングダム 大将軍の帰還』などに出演。バラエティやCMでも目にする機会も多いほか、2017年には初の写真集『草刈正雄FIRST PHOTO BOOK』を発刊して注目を浴びました。
そんな草刈は、歌手としても活躍。1971年に爽やかでフォーキーなポップ・ソング「地図にない街」でシングル・デビューを果たすと、同年に「めぐり逢い」(写真)を発表。同曲は当初、グループサウンズ“
ズー・ニー・ヴー”のヴォーカルを務め、のちに映画『キタキツネ物語』主題歌「赤い狩人」や映画『野性の証明』主題歌「戦士の休息」がヒットした
町田義人が歌ったオーデコロンのCMソングでしたが、そこへ
山上路夫が新たに詞を加えて、草刈の2ndシングルとしてリリースされました。
尾崎紀世彦が歌唱したことでも知られています。
代表的なヒット曲といえば、1977年発表の「センチメンタル・シティー」です。草刈扮するロサンゼルス帰りのスーパー刑事“ロス”と、
田中邦衛扮する鹿児島出身のライフルの名手“ゴローさん”という対照的なコンビが事件を解決するアクション刑事ドラマ『華麗なる刑事』のエンディング・テーマに起用されました。哀愁漂うサックスとコーラスが印象に強く残るフュージョン歌謡サウンドのなかを、軽やかなヴォーカルが駆け抜ける、アダルトかつ都会的な楽曲となっています。
その前年には、本人が留学から帰ってきたせんべい屋の次男役で出演したドラマ『ほんとうに』の主題歌「ほんとうに」と同挿入歌「空が少しづつ」をカップリングしたシングルを発表しています。
アルバムは、1975年の『ファースト』を皮切りに、翌年に『セカンド』と邦・洋楽カヴァーを含む『青春の光と影』、1978年に『ラブ・シャワー』と発表。『青春の光と影』では、
ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」や“ヒロシです……”のネタのテーマとしておなじみの
ペピーノ・ガリアルディ「ガラスの部屋」、
エルトン・ジョン「クロコダイル・ロック」などの日本語詞カヴァーを聴くことができます。
2010年には、自身初のベスト・アルバム『
ゴールデン☆ベスト 草刈正雄 〜EARLY DAYS〜』をリリース。同アルバムは、前述の『青春の光と影』に楽曲を追加しており、草刈ワークスを一度に楽しめます。
また、草刈自身が高村一平役を演じ、
黒川芽以、
堀北真希、
夏帆らと共演したドラマ『ケータイ刑事 銭形シリーズ』の劇場版のサントラ『ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密〜銭形姉妹への挑戦状 + TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック』には、草刈による「高村一兵・バーボン刑事のテーマ」が収められています。