同じ誕生日のアーティストたちの楽曲をプレイリストにしてしまおうという企画「バースデープレイリスト」から、今回は7月2日にフォーカス。7月2日誕生の著名アーティストの関連音楽作品9曲をピックアップしてみました。
まずは、映画『男はつらいよ』シリーズのマドンナ“リリー”役など、日本の映画全盛期のヒロインとして活躍した女優の
浅丘ルリ子の音楽作品から。やはり自身が出演した映画やドラマの主題歌を多く歌っており、
石原裕次郎とは「夕陽の丘」「東京さすらい歌」「山の湖」などで、
浜田光夫とは「伊豆の虹」「姉弟」などでデュエットを披露しました。そのなかから、チャート2位を記録した1969年リリースのシングル「愛の化石」を挙げておきましょう。同曲は翌70年に浅丘と
田宮二郎の主演映画のモチーフになりました。
“小さなことからコツコツと”のキャッチフレーズで芸人や政治家としても高い支持を得た“キー坊”こと
西川きよし。お笑い以外でも映画、ドラマ、ラジオ、CMなどさまざまなメディアで活躍していますが、レコードも発表しています。1975年の「愛妻ものがたり / 笑ってください」のほか、1979年には、A面に西川きよしがほぼ語りで子供たちを紹介する「子供が三人おりますねん」、B面に当時新喜劇のマドンナ女優で妻の
西川ヘレンが歌う「約束」を収録したスプリット・シングルをリリース。同年にA面に「ふたりの大阪」、B面に西川ヘレンの「しあわせの靴音」をカップリングしたシングルを発表しており、どちらも西川夫妻の仲睦まじい表情をとらえたジャケットが印象的です。
ここでは、
桂三枝×西川きよし名義で1975年に発表した「ひと目逢ったその日から」を選びましょう。“見知らぬあなたと見知らぬあなたの恋をとりもつ縁結びソング”とのフレーズもついたこのシングル・レコードには、当時人気の視聴者参加型恋愛バラエティ番組『パンチDEデート』の応募申込書もついていたとか。
現在は芸能活動のほか、アルゼンチン代表のサッカー選手メッシに魅了されて以来、寝る間も惜しんでサッカー観戦を重ね、膨大な観戦ノートを書き留めるなど筋金入りのサッカーファンとしても知られる
小柳ルミ子。宝塚音楽学校を首席で卒業した後、NHK連続テレビ小説『虹』での女優デビューを経て、1971年に「わたしの城下町」で歌手デビューを果たしました。一躍同年の年間シングル1位を売り上げるヒットを記録し、日本レコード大賞最優秀新人賞を獲得。以降もヒットを連発し、
天地真理や
南沙織と“新三人娘”と呼ばれる女性アイドル歌手として人気を博すと、70年代半ばからは歌謡ポップ路線でもファン層を拡大。女優やバラエティでも活躍しました。
デビュー曲「わたしの城下町」をはじめ、「京のにわか雨」「冬の駅」「星の砂」「お久しぶりね」「今さらジロー」など多くのヒット曲がありますが、ここでは1972年の4thシングル「瀬戸の花嫁」をセレクト。瀬戸内を代表するご当地ソングで、ウェディングソングとして定着したほか、“瀬戸ワンタン、日暮れ天丼、夕波こな味噌ラーメン”と歌詞と料理を組み合わる替え歌も大いに流行しました。
その小柳と“新三人娘”のひとりとされたのが、“シンシア”の愛称で知られる南沙織です。1971年に発表した作詞・有馬三恵子、作曲・筒美京平のコンビによるデビュー曲「
17才」がヒットすると、日本レコード大賞新人賞をはじめ、数々の賞を受賞。デビューから半年のスピードで『NHK紅白歌合戦』に出場を果たしました。「17才」のヒットを機に、特にアイドル歌謡曲シーンでは“17歳”をテーマにした楽曲が多く誕生。また、1989年には
森高千里が「17才」をカヴァーし、リヴァイヴァルヒットをさせています。
ここでは、「17才」と同様に人気が高く、多くのアーティストがカヴァーしている「色づく街」を挙げておきましょう。1973年8月にリリースされた9thシングルで、夏の終わりから秋にかけての季節に似合う楽曲となっています。
シンガー・ソングライターや音楽プロデューサーとして活動している
タイロン橋本。細野晴臣率いるティン・パン・アレイや日本初のサルサ・バンド“
オルケスタ・デル・ソル”に参加。
YMOの1stアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』では、収録曲「シムーン」にShunichi Hashimoto名義でヴォ―カルを務めました。単身渡米後に黒人音楽の洗礼を受け、多くの著名アーティストと交流・共演。また、CMを中心としたプロデュース活動でも知られ、
沢口靖子出演の「カメリアダイアモンド」CMソングを手掛けるほか、「UCCコーヒー」のCMソングを作・編曲して
ジェイムス・ブラウンを起用するなど、600あまりのCMで歌唱、作・編曲、演奏、ナレーション、出演などマルチに活躍しています。
ソロでは全米でもリリースした1988年の『Moments Of Love』以来、ソロ・アルバム8枚をリリースしているタイロン橋本ですが、ここでは外仕事作品から、ラッパーの
SEAMOが「ルパン三世のテーマ」をサンプリングした楽曲「
ルパン・ザ・ファイヤー」を選曲。終盤へとつなぐブリッジパートにて、タイロン橋本の雄々しいヴォーカルソロを聴くことができます。
1997年のデビュー以来、楽曲提供やCM音楽、サウンドトラック制作、ユニットの
EVERESTなどで活動する音楽家の
カンケ。作曲家・プロデューサーとしてのKANKEをはじめ、編曲家として柏崎三十郎、作詞家として鹿音田鈴、演奏家として道進也などさまざまな別名義を持ち、
秋山竜次(
ロバート)や
劇団ひとり、
後藤輝基(
フットボールアワー)、
日村勇紀(
バナナマン)、
バカリズムなどお笑い芸人への楽曲提供でも知られています。
ここでは、夏の季節にふさわしいタイトルのデビュー曲「サマー・ブリーズ」をピックアップしておきましょう。同曲は1stアルバム『
HOMMAGE』にも収録されています。
カンケがアーティストに提供した楽曲のひとつに、
V6の「SHINY DAY」がありますが、そのV6のメンバーの
三宅健は、7月2日が誕生日。V6の年少組ユニット“
Coming Century”としても活動していました。ミュージカルで共演した
滝沢秀明とはアイドル・デュオ“
KEN☆Tackey”を結成し、20158年にシングル「
逆転ラバーズ」でデビューしたことも話題となりました。2021年のV6解散後はソロへ移行し、2022年11月にミニ・アルバム『
NEWWW』でソロ・デビュー。2024年6月には1stソロ・アルバム『THE iDOL』をリリースしていますが、同アルバムにも収録された
SIRUPとA.G.Oが手掛けた配信シングル「Ready To Dance」をリストに追加しておきます。
海外からは
ミシェル・ブランチをピックアップ。1983年7月2日にアメリカ・アリゾナ州で生まれたブランチは、3歳から歌い始め、8歳からヴォイストレーニングを始めました。バンドや作曲活動を行なうなか、2000年にアルバム『ブロークン・ブレスレット』を発表。翌年のアルバム『
スピリット・ルーム』でメジャーへ進出すると、デビュー・シングル「エヴリウェア」がアメリカ、イギリス、オーストラリアなど全世界でヒット。一躍トップスターの仲間入りを果たしました。以来、2022年の『ザ・トラブル・ウィズ・フィーヴァー』までオリジナル・アルバム5枚を発表しています。
多くのヒット曲のなかから、グラミー賞のベスト・コラボレーション・ウィズ・ヴォーカル部門を受賞した、
サンタナとコラボレーションした「ザ・ゲーム・オブ・ラヴ」(The Game of Love)を選曲しましょう。
最後は、『ViVi』をはじめ、多くのファッション誌の表紙を飾った人気モデルの藤井リナ。ファッションモデルとして活躍するなか、2006年のDJ KAWASAKIのデビュー・アルバム『BEAUTIFUL』に続き、翌2007年のリミックス・アルバム『BEAUTIFUL TOO』でジャケットを飾り、同作収録の「BRIGHT LIKE LIGHT feat. LENA FUJII」で歌手デビューを果たしました。そのDJ KAWASAKIのプロデュースで2008年に1stソロ・アルバム『
LENA』を発表。NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの“赤い彗星”ことヒップホップMCのS-WORDの楽曲「MY PLEASURE feat.Lena Fujii」への客演や、コンピレーション・アルバム『
ViVi PRESENTS HOLIDAY STYLE SELECTED BY LENA FUJII』にセレクターとして参加したことも話題となりました。
藤井リナの楽曲からは、アーティストネームのLena名義でリリースしたデビュー・シングル「
ヒカリ」をチョイス。自身が作詞を手掛けた、Jeff Miyaharaプロデュースの楽曲です。
■バースデープレイリスト〈7月2日〉篇
浅丘ルリ子「愛の化石」
桂三枝×西川きよし「ひと目逢ったその日から」
小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」
南沙織「色づく街」
SEAMO「ルパン・ザ・ファイヤー」
カンケ「サマー・ブリーズ」
三宅健「Ready To Dance」
ミシェル・ブランチ「ザ・ゲーム・オブ・ラヴ」
Lena「ヒカリ」
(写真は南沙織の3枚目のオリジナル・アルバム『
純潔/ともだち』)