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8月29日は「秋田県の記念日」〜秋田県出身のアーティストは?

2025/08/29掲載
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秋田出身の歌手やバンドが知りたいです!
 1871年8月29日に、明治政府がそれまで300弱あった藩を廃止し、国の管轄の府や県として一元化した行政改革「廃藩置県」が行なわれた際に、初めて“秋田県”という名前が使用され、県が設置されたことを記念して、秋田県は8月29日を「県の記念日」としています。秋田県の歴史を振り返りながら、さらに豊かで住みよい郷土・秋田をつくるため、互いに力を合わせる意識と郷土愛の精神を育もうという願いから、1965年に制定。当日は県の施設の無料開放や、普段はなかなか見られない施設が一般公開となるほか、各種イベントなどが開催されます。

 その「秋田県の記念日」にちなんで、秋田県出身のアーティストをいくつか紹介していきましょう。

 まずは、戦前から戦後にかけて活躍した流行歌手の東海林太郎(しょうじ・たろう)です。1898年に秋田県秋田市で生まれ、満州から帰国後に声楽を学び、その後、流行歌手へ転向しました。燕尾服と丸いロイド眼鏡をまとい、直立不動で歌うスタイルが特徴的なこともあって、ものまねタレントなどにもよく真似をされていました。「赤城の子守唄」「国境の町」などがヒットし、記念すべき第1回の『NHK紅白歌合戦』にも出場しています。

 フォーク界からは友川カズキ因幡晃の2名を挙げておきましょう。友川は山本郡の出身で、宇崎竜童に見出され、1974年に友川かずき名義のシングル「上京の状況」でデビューを果たしました。三宅裕司陣内孝則石黒賢が三兄弟を演じたホームドラマ『一家だんらん物語』の主題歌に起用された「生きてるって言ってみろ」や「死にぞこないの唄」「トドを殺すな」、ちあきなおみへ提供した「夜へ急ぐ人」などの楽曲で反響を呼びました。レコードデビュー50周年を迎えた2024年には、ライヴ・アルバム『ライブ1989 未発表発掘音源集』やスタジオ・アルバム『イカを買いに行く』を発表し、50周年記念ライヴを行なうなど、現在も精力的に活動しています。

 一方、因幡は大館市の出身。高校卒業後、鉱山技師を経て、第10回ヤマハポピュラーソングコンテストで最優秀曲賞を受賞し、第6回世界歌謡祭で入賞を果たした「わかって下さい」で1976年にデビュー。当時のフォークブームの波に乗り、一躍人気スターとなりました。タイアップも多く、映画やドラマでは「そして愛…」(映画『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』主題歌)、「ヴィオロンの響き」(森光子主演ドラマ『春よ来い』主題歌)、「忍冬(すいかずら)」(藤吉久美子主演の昼ドラ『しのぶ』主題歌)、TV番組では「恋しくてせつなくて」(『ぶらり途中下車の旅』エンディング・テーマ)、CMソングでは「きみはどこまで美しくなるのか。」(カネボウ)などで知られています。2004年にはWink相田翔子とのデュエット「クレタの白い砂」も話題となりました。

 森昌子山口百恵とともに“花の中三トリオ”として国民的な人気を博した桜田淳子は秋田市出身。“そよ風の天使”のキャッチフレーズでデビューした桜田は、3rdシングル「わたしの青い鳥」がヒットし、日本レコード大賞最優秀新人賞に輝きました。以来「はじめての出来事」「ひとり歩き」「十七の夏」「夏にご用心」「ねえ!気がついてよ」「気まぐれヴィーナス」「しあわせ芝居」「サンタモニカの風」などヒットを連発し、トップアイドルの地位を不動のものに。歌手活動を中止した後は、女優としてドラマや映画、舞台で活躍しました、

 デビュー40周年の2013年には、約20年ぶりにファン感謝イベントを開催。2018年には35年ぶりの新作アルバム『マイ・アイドロジー』やベスト・アルバム『Thanks45〜しあわせの青い鳥』を発表するなど、いまなおファンを楽しませています。

 演歌界からは藤あや子岩本公水をピックアップ。藤は仙北郡角館町(現・仙北市)出身。10代から民謡を習っていた藤は、19歳の時に秋田県主催の「ミス花嫁コンテスト」で優勝。1987年に村勢真奈美名義でテビューした後、1989年に改名し、再デビューを果たしました。1992年に「こころ酒」が日本有線大賞を受賞するヒットとなると、『紅白歌合戦』に初出場。「むらさき雨情」「女泣川(おなきがわ)」「花のワルツ」とヒットを連発して以降、人気演歌歌手として活躍しています。また、自身が飼っている猫の姿をとらえたSNSも人気で、2020年には猫の写真集『マルとオレオと藤あや子』を発刊しています。

 一方、岩本は羽後町の生まれで、1995年に「雪花火」でデビュー。1997年にNHK新人歌謡コンテストでグランプリを獲得し、『紅白歌合戦』に初出場を果たしました。2005年より休業期がありましたが、2007年に復帰。2020年以降も「しぐれ舟」「雨の堂島川」「酔うほどに」などのヒットを放ち、2025年はデビュー30周年記念曲第2弾となる「さだめ船」をリリースしています。

 シンガー・ソングライターの高橋優は平鹿郡(現・横手市)出身。2010年にシングル「素晴らしき日常」でメジャー・デビューを果たすと、「卒業」「さくらのうた」「産まれた理由」とヒットを放っていきます。映画『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』主題歌となった「ロードムービー」や、『熱闘甲子園』ほか夏の高校野球応援ソングとなった「虹」、ダイハツ「キャスト」CMソングやJR東日本・秋田駅の発車メロディに使用されている「明日はきっといい日になる」など、映画やドラマ、CMなどに数多く起用された耳なじみの良い楽曲で人気を博しています。

 “バンプ”の愛称で親しまれるBUMP OF CHICKENのヴォーカル&ギターを務める藤原基央は、千葉県佐倉市出身とされていますが、生まれたのは秋田市。幼稚園入学までは秋田で過ごしていたといいます。BUMP OF CHICKENは2000年にメジャー・デビューし、翌年の2ndシングル「天体観測」でブレイク。メジャーでの1stアルバム『jupiter』も1位を記録すると、その後も高い人気を博しています。藤原自身では、2006年にMOTOO FUJIWARA名義でゲーム『テイルズ オブ ジ アビス』のサウンドトラック『SONG FOR TALES OF THE ABYSS』をリリースしています。

 エモ・シーンで名を馳せるロック・バンドの鴉(からす)も秋田出身。ヴォーカル&ギターの近野淳一を中心として、2001年に結成され、2009年に1stシングル「夢」でメジャー・デビューを果たしました。同曲は木下あゆ美主演ドラマ『怨み屋本舗 REBOOT』のオープニング・テーマに起用され、話題に。そのほか、山田孝之主演のドラマ『闇金ウシジマくん』主題歌の「巣立ち」や、剛力彩芽の連独ドラマ初主演となった『ティーンコート』主題歌「蒼き日々」などでも知られています。

 音楽活動がメインではないものの、“ギバちゃん”こと俳優の柳葉敏郎は、仙北郡(現・大仙市)出身。近年は『踊る大捜査線』シリーズの室井慎次役のイメージが強いですが、当初は路上パフォーマンス集団「劇男一世風靡」の派生ユニット、一世風靡セピアのメンバーとして1984年に「前略、道の上より」でデビューしています。俳優の小木茂光哀川翔なども在籍した一世風靡セピアでは、「賽を振れ!」「汚れっちまった悲しみに…」などもヒット。1987年にはシングル「Still I Love You」でソロ・デビューも果たしました。その後も俳優のかたわら、コンスタントに音楽作品を発表。2000年には13枚目のオリジナル・アルバム『A 2000』をリリースしています。

 同じく、可憐と美しさを兼ね備えたルックスでモデルや女優として活躍している佐々木希は秋田市出身。歌唱のイメージがあまりないと思う方もいるかもしれませんが、2010年にロッテ「Fit's」のCMソングとなった「狼少年ケンのテーマ」の替え歌のカヴァー「噛むとフニャン feat.Astro」でシングル・デビューを果たしています。同年に森高千里のカヴァー「ジン ジン ジングルベル」を、翌年には「パペピプ♪パピペプ♪パペピプポ♪」とシングル3枚をリリース。2012年にはアルバム『NOZOMI COLLECTION』(写真)を発表しています。

 乃木坂46の1stシングル「ぐるぐるカーテン」からセンターポジションを務め、初期乃木坂46の中心メンバーとして人気を博し、卒業後は女優として活躍している生駒里奈は、由利本荘市出身。乃木坂46時代にグループ内でのソロ曲として「水玉模様」などを歌唱してきましたが、単独ソロ名義としては、2024年にRINA IKOMA名義のシングル「TOKYO DANCE -大東京音頭-」を配信リリースしています。同曲は美空ひばり橋幸夫も歌った盆踊りの人気曲「大東京音頭」をハイパーポップなダンス・サウンドにアレンジした“盆ダンス”ソングで、可愛らしい歌声と浴衣姿も見られるミュージック・ビデオはファン必見です。

 そのほか、“東京へは もう何度も 行きましたね”のフレーズが印象的な「東京」で知られるフォーク・ソング・グループのマイ・ペース(潟上市)、47歳の新人歌手として注目され、「おやじの海」で全日本有線放送大賞最優秀新人賞を獲得した村木賢吉(鹿角市)、福山雅治がプロデュースした「Squall」がヒットした松本英子(秋田市)、ゲーム『ファイナルファンタジーXIII』主題歌「君がいるから」やドラマ『科捜研の女』主題歌「『好き』という言葉」などで知られるTHE SxPLAY(菅原紗由理/横手市)、全日本アニソングランプリ優勝後にメジャー・デビューし、数多くのアニメやゲーム関連楽曲を発表している佐咲紗花(秋田市)、1989年に田村英里子中山忍深津絵里島崎和歌子石原詢子らと同期でアイドル・デビューした河田純子(秋田市)、デビュー当時はポスト“西野カナ”として注目された三浦サリー(にかほ市)、フジロックや東京JAZZなどのフェスに数多く出演し、国内外で活躍しているジャズ・ギタリストの小沼ようすけ(秋田市)などが、“レペゼン秋田”として存在しています。

 ちなみに、スポーツ界にも数多くの名選手を輩出している秋田県ですが、日本プロ野球史上唯一の3度の三冠王に輝き、監督としても4度のセ・リーグ優勝と日本シリーズ優勝を達成している“オレ流”こと落合博満は、南秋田郡潟西村(現・男鹿市)出身。昭和の時代には野球選手や力士などがレコードやCDをよく発表していましたが、落合も同じく、数多くの作品をリリースしています。1986年にはシングル「サムライ街道 / そんなふたりのラブソング」を発表。「そんなふたりのラブソング」は信子夫人とのデュエット曲という話題性もあって、5.5万枚のセールスを記録しました。その後も、中村美律子と「恋の広小路」、多岐川舞子と「縁歌酒」、林るり子と「涙 渇くまで」、若山かずさと「抱かれて乾杯」「霧の別れ」とデュエット曲を発表しています。それらの楽曲は『ゴールデン☆ベスト』『ベストセレクション』などのベスト・アルバムでも聴くことができます。

 秋田の「県の記念日」に秋田県出身の人たちの楽曲を聴いてみては、いかがでしょうか。



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