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9月12日は「とっとり県民の日」〜鳥取県出身のアーティストは?

2025/09/12掲載
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鳥取出身のアーティストがいたら、おしえてください!
 1881年9月12日に、鳥取県が島根県から分離して再び設置されたことから、1998年に「とっとり県民の日」を制定しています。

 鳥取県は、1871年の廃藩置県の際に誕生しましたが、1876年に島根県に併合。しかし、この併合は突然行なわれたため、その後は鳥取県の分離運動が盛んに起こることになりました。そのような経緯もあって、1881年に島根県から鳥取県が分立・再設置され、現在の形となりました。現時点では、面積は全国の都道府県で7番目に小さく、人口は全国で最も少ない都道府県ではありますが、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数の平均値)は全国平均を上回っており、2010年代以降は全国トップクラス。2022年は日本全体の出生数が減少するなか、鳥取県は全国唯一の増加した県となりました。

 また、「とっとり県民の日」は、県民がふるさとについての理解と関心を深めるとともに、ふるさとを愛する心を育て、自信と誇りの持てる鳥取県を力を合わせて築き上げることを期する日として、鳥取県や地域のことを考えるきっかけになればという思いも込められています。当日は鳥取県の食や魅力を再発見するきっかけとなるイベントや、県内スーパーマーケット協力店にて「とっとり県民の日フェア」の開催、施設の無料開放や利用料割引なども実施されます。

 その「とっとり県民の日」にちなみ、鳥取県出身のアーティストを何組か取り上げていきましょう。

 まずは、音楽作家たちから。作曲家でオルガニストの岡野貞一は、邑美郡古市村(現・鳥取市)出身。“兎追いし彼の山〜”で始まる「故郷」(ふるさと)をはじめ、「春が来た」「春の小川」「朧月夜」「桃太郎」などの童謡・唱歌は岡野が作曲しています。“マサカリカツイデ〜”で始まる童謡「金太郎」や「一寸法師」などを作曲した田村虎蔵は、岩美郡出身です。

 吉田拓郎の作品や森進一の日本レコード大賞受賞曲「襟裳岬」などを生んだ作詞家の岡本おさみは米子市出身、クリスマスキャロルとして誰もが知る賛美歌「きよしこの夜」を訳した牧師で讃美歌作家の由木康(ゆうき・こう)は西伯郡上道村(現・境港市)で誕生しました。

 ポップス・シーンにも“鳥取”から著名なアーティストが生まれています。“ジュリー”の愛称で親しまれ、グループサウンズ全盛期から日本の歌謡シーンのトップランナーとして活躍している沢田研二は、岩美郡津ノ井村(現・鳥取市津ノ井)で生を受けました。「ふたり酒」をはじめ、数々のヒットを放ち、『NHK紅白歌合戦』の常連として名を連ねる演歌歌手の川中美幸は、出身こそ大阪府ですが、生まれは米子市です。

 そして、「Pretender」「I LOVE...」「Subtitle」などの名曲群を送り出した“ヒゲダン”ことOfficial髭男dismのヴォーカル&ピアノの藤原聡とドラムの松浦匡希は、ともに米子市出身。ヒゲダン自体は島根大学在学中に結成されましたが、メンバーのうち“4分の2”は鳥取県出身です。

 シンガー・ソングライターの折坂悠太は、幼少期をロシアやイランで過ごした後、千葉県へ移りましたが、出生したのは鳥取県。ミュージシャンたちからの評価や支持も高く、特に2018年にリリースした2ndアルバム『平成』はCDショップ大賞の大賞〈青〉にも選出されました。

 そのほか、竹野内豊主演のドラマ『ヤンキー母校に帰る』の主題歌「青空の果て」がヒットした奥田美和子や、2009年にメジャー・デビューを果たしたKAZUMIとMASAの姉弟ユニットのTWICEは米子市の出身。ソロのほかピラニアンズボッサ・ピアニキータなどでも活動する鍵盤ハーモニカ奏者のピアニカ前田、80年代から90年代にかけて星野一義らを起用したJT「キャビン」のCMソング、山田邦子の冠バラエティ番組から誕生したユニット“やまだかつてないWink”のデビュー曲「“T”intersection 〜あなたに戻れない〜」を作曲したジャズ・サックス奏者のMALTAは、倉吉市の出身です。

 女優勢では、『紅白歌合戦』出場経験を持つのが、宝塚歌劇団出身で“百萬弗のえくぼ”というキャッチフレーズとともに人気を博し、スター女優となった乙羽信子は、西伯郡米子町(現・米子市)出身。1953年の第3回『紅白歌合戦』で「初恋椿」を歌唱しています。

 韓国アイドル・グループ“Sugar”の解散後にソロ活動へ移り、2010年に大胆なベイビーショートヘア姿のルックスとともに“ICONIQ”(アイコニック)の歌手名で再デビューしたタレント / 女優のアユミ(伊藤ゆみ)や、ダンス&ヴォーカル・ユニット“SweetS”を経て女優デビューした後、ドラマ『美男ですね』の劇中バンド“A.N.JELL”やガールズ・バンド“LAGOON”、2024年にはソロとして初のオリジナル楽曲「あなたで」を発表するなど音楽活動にも精力的な瀧本美織は、ともに鳥取市出身です。

 さらには、ザ・ドリフターズの初期メンバーで、ミュージシャンや俳優、バラエティタレントとしても活躍した小野ヤスシは境港市出身で、“鳥取が生んだスーパースター”を自称しています。

 昼の国民的番組『笑っていいとも!』に9代目いいとも青年隊として出演した“あさりど”のメンバーとして知られ、ソロやユニットでも歌手活動を行なっている川本成や、『THE IDOLM@STER』の双海亜美・双海真美役で本格的なデビューを果たし、ソロやユニットでも音楽活動を展開するほか、人気ボーカロイドの鏡音リン・レンの“声ネタ元”としても知られる下田麻美は、ともに鳥取市出身です。

 ビッグヒットを持っているのが、元女子プロレスラーのマキ上田。鳥取市出身で、当時の鳥取農業高校を中退し、全日本女子プロレスに入門。ジャッキー佐藤とのタッグ“ビューティ・ペア”を結成。試合前のリングで歌唱するという斬新な演出もあり、当初は経営破綻がささやかれた“全女”も、ビューティ・ペアの人気とともに黄金期を迎えていきます。ビューティ・ペアはデビュー曲の「かけめぐる青春」をはじめ、「真赤な青春」「青春にバラはいらない」などのヒットを連発し、男女問わず熱狂的なファンを生み出しました。マキ上田は、1979年にソロ・シングル「インベーダーWALK」もリリースしています。

(写真は1977年公開映画『ビューティ・ペア 真赤な青春』)
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