10月3日は「土佐の日」。高知県の旧国名の土佐の“と(10)・さ(3)”という語呂合わせにちなみ、10月3日を「土佐の日」にしようと宣言した2007年の「土佐の日宣言」から、10月3日を高知県民の祝賀の日とすることを目指し、土佐人の思いと誇りを結集する日になるよう、毎年「土佐の日」にさまざまな記念事業が開催されています。
そこで、CDジャーナルは音楽的にアプローチ。高知県出身の著名な歌手やアーティストを挙げていきたいと思います。
冒頭の“涙の数だけ強くなれるよ”のフレーズが印象的な1995年のデビュー・シングル「TOMORROW」が大ヒットし、同年末の『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした
岡本真夜は、中村市(現・四万十市)出身。「TOMORROW」は翌年の第68回選抜高等学校野球大会の入場行進曲に選ばれると、その後もヒット曲を放ち、岡本は一躍人気シンガー・ソングライターの地位を確立しました。
病気などにより活動を中止した時期もありましたが、デビュー20周年となる2016年には“mayo”名義でピアニストとしてデビューするほか、アイドルのグループのプロデュースにも関与。近年はTVやラジオなどメディアへの出演も多く、YouTubeやTikTokなどSNSでの活動も活発。2025年7月には配信シングル「Lastly」をリリースしています。
楽曲提供も精力的に行ない、特に同郷の
広末涼子(高知市出身)へ提供した1997年の2ndシングル「大スキ!」はチャート1位となり、広末を同年末の『NHK紅白歌合戦』初出場へと導きました。酒豪“ワッコさん”の名が定着しているこちらも同郷の
島崎和歌子(南国市)へは、2009年に「Happy Life 〜明日に向かって〜」、2013年に「高知家の唄」を提供。「高知家の唄」は、高知家応援隊長の人気キャラクター“カツオ人間”が作詞し、“高知家のお姉ちゃん”こと岡本が作曲、“高知家の姉さん”こと島崎がメインヴォーカルを務めています。そのミュージック・ビデオには“高知家の娘”こと広末や、『毎日かあさん』などの作品や高須クリニック創業者・
高須克弥のパートナーとしても知られる高知市出身の漫画家・
西原理恵子らが出演する、高知オールスター的な作品となっています。
シンガー・ソングライターとしては、曲名よりも“とんでとんで……”のフレーズが強烈な印象を残した「夢想花」がヒットした
円広志は安芸郡、1998年にシングル「オモヒデ オーヴァ ドライヴ」でデビューし、「サーカスナイト」などの名曲を放っている
七尾旅人は高知市、2004年に「てろてろ」でメジャー・デビューし、翌年の日本ゴールドディスク大賞でニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞した
矢野絢子は吾川郡伊野町(現・いの町)、2009年にシングル「ストーリー」でメジャー・デビューを果たし、アニメ『のだめカンタービレ フィナーレ』主題歌の「まなざし☆デイドリーム」や西原理恵子原作の
菅野美穂主演映画『パーマネント野ばら』主題歌の「train」などで知られる
さかいゆうは土佐清水市の出身です。
近年の『NHK紅白歌合戦』での“けん玉「大皿」連続ギネス記録チャレンジ”も恒例の演歌歌手・
三山ひろしは南国市、『たけしの誰でもピカソ』『うたばん』などのバラエティ番組でも注目され、2021年の「東京オリンピック2020」閉会式」にてオリンピック賛歌を独唱したソプラノ歌手の
岡本知高は宿毛市の出身。
また、
フェイ・ウォンの「Eyes On Me」をはじめ、人気ゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽の“生みの親”として名を馳せ、海外では“ビデオゲーム界のベートーヴェン”とも言われる“ノビヨ”が愛称の
植松伸夫は高知市、渡米後にニューヨークのレジデンスDJなどを経て、帰国後に数多くのリミックス作品やミックスCDを発表し、“女性DJとしては売上世界一”とも言われる
DJ KAORIは高岡郡窪川町(現・高岡郡四万十町)出身と、世界的に著名な逸材が少なくないのも、坂本龍馬やジョン万次郎(中浜万次郎)ら国際的な感覚を持った偉人が生まれた土地柄だからかもしれません。
アイドル界隈では、
WinK、
西田ひかる、
中山忍らと同期で1988年に「青い制服」でアイドル歌手としてデビューした
国実百合は、高知市出身。一時引退をしましたが、セラピストとの活動とともに音楽活動も再開。2023年以降はYouTubeでのライヴ配信やライヴ活動も展開しています。高知県のローカル・アイドル・グループ“
はちきんガールズ”には、女性初となる1級マグロ解体師の資格の取得も話題となった元
アンジュルムの
川村文乃や、
AKB48を経てソロ・シンガーやMCバトルイベントでも活動した立仙愛理が所属していました。
お笑い界からは、“やすきよ漫才”で一世を風靡したお笑いコンビの
横山やすしと
西川きよし。どちらも大阪で育ちましたが、生まれはどちらも高知県。コンビのほか、それぞれ単独でレコードやCDをリリースしています。京都で育ち、コントトリオ“
ヒップアップ”のリーダーとして登場、『オレたちひょうきん族』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などのバラエティ番組で活躍した
島崎俊郎は高知市の生まれ。「アダモちゃんのテーマ」「アダモでガングロ」といった自身の人気キャラクター“アダモステ”にまつわる楽曲を発表しています。
声優界からは、劇場用アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリス役や『風の谷のナウシカ』のナウシカ役、アニメ『めぞん一刻』の音無響子役や『それいけ!アンパンマン』のしょくぱんまん役などで知られる
島本須美は高知市出身。音無響子名義で「予感」「メロディー」といったシングルやアルバム『恋するKI・MO・CHI』をリリースしています。
『黒執事』のセバスチャン・ミカエリス役、『ジョジョの奇妙な冒険』の空条承太郎役、『進撃の巨人』のエルヴィン・スミス役、『おそ松さん』の松野十四松役などを演じている“小野D(おのでぃ)”こと
小野大輔は、高岡郡佐川町の出身。2007年のミニ・アルバム『ひねもす』よりアーティスト活動をスタートさせ、2016年には日本武道館でのワンマン・ライヴを成功させています。ラジオ番組で共演している
神谷浩史とも音楽活動を繰り広げ、
MASOCHISTIC ONO BANDなるのロックエアーバンドでも活動しています。
なお、
GRe4N BOYZ(旧・GReeeeN)のリーダーの
HIDE(ヒデ)は、生まれは大阪府高槻市ですが、中学・高校時代は高知県で過ごしたとのこと。その縁もあり、2013年に「みんなでよさこいプロジェクト『総踊り』」楽曲「この地へ〜」を楽曲提供。2025年にはGRe4N BOYZが高知市PR大使に就任し、今秋にはGRe4N BOYZによる「高知市PRソング」が公開される予定です。
(写真は、2024年4月リリースの島崎和歌子のベスト・アルバム『
ゴールデン☆ベスト 島崎和歌子』)