1969年10月29日にソニー、松下電器(現・パナソニック)、日本ビクター(現・JVCケンウッド)が世界で初めて家庭用VCR(Video Cassette Recorder)規格のビデオテープレコーダーを発表。それにちなんで、10月29日は「ホームビデオ記念日」に制定されています。
当初は高価格などもあり、一般家庭にあまり普及しませんでしたが、商品開発を重ねて低価格が実現。すると、家庭向けVTR(ビデオテープレコーダー)の世帯普及率が高まり、ソニーの「ベータマックス」と日本ビクターの「VHS」(Video Home System)の両社の家庭向けVTR規格がヒット。熾烈なシェア争いが繰り広げられる“ビデオ戦争”と呼ばれる販売競争が展開されました。
80年代後半にはレンタルビデオが急速に拡大するなど、ビデオテープレコーダーは売り上げを伸ばし、好況が数十年続きましたが、デジタル放送開始によって記録媒体はDVDやブルーレイディスク、ハードディスクドライブ(HDD)へ移行。2007年あたりまででビデオデッキ単体機は生産が終了となり、その後はビデオテープやデッキはヴィンテージなものとなっていきました。
ビデオテープレコーダーにとって代わったDVDやブルーレイディスクですが、こちらも活況のピークを迎え、次第に物理メディアからインターネット上のクラウドストレージやストリーミングサービスなどにデータの保存先が移っていくことになります。
(写真はリサイクルショップやレンタルショップでビデオテープを収集、サンプリングして映像と音楽を制作するユニークなアーティスト、
VIDEOTAPEMUSICの2019年7月リリースのアルバム『
The Secret Life of VIDEOTAPEMUSIC』)