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東日本大震災の内側とその知られざる真実を描く、西田敏行・主演映画『遺体 〜明日への十日間〜』公開決定

西田敏行   2012/08/07 16:33掲載
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東日本大震災の内側とその知られざる真実を描く、西田敏行・主演映画『遺体 〜明日への十日間〜』公開決定
 石井光太による壮絶なルポルタージュ本『遺体 震災、津波の果てに』(新潮社刊)を元に、主演には西田敏行を迎え、『踊る大捜査線 THE MOVIE』シリーズで知られる君塚良一監督が東日本大震災の内側とその知られざる真実を描いた映画『遺体 〜明日への十日間〜』が2013年3月に公開されることが決定。さらに、モントリオール世界映画祭・ワールドグレーツ部門へ出品されることが発表されました。

 ――東日本大震災発生後、混乱状況の中、数多くの遺体が発見され、遺体安置所に運び込まれることになった。次々と運び込まれてくる多くの遺体に戸惑う警察関係者や市職員たち。そして遺体の検死作業にあたったのは、地元の医師や歯科医師たちだった。混乱する現場を訪れた一人の男・相葉常夫(西田敏行)は、定年後、地区の民生委員として働いていた。定年前は葬祭関連の仕事についていた。そのため、遺体の扱いにも慣れ、遺族の気持ちや接し方も理解していた。相葉は、数多くの遺体に初めて直面し、動揺している人たちを統率すべく、遺体安置所の世話役として働かせてくれるように、市長に嘆願し、ボランティアとして働くことになった。運び込まれてくる多くの遺体、その遺体、一人一人に優しく語りかける相葉。そんな相葉の姿を見ている市職員たちに、気持ちの変化が起こり始める。一人でも多くの遺体を人としての尊厳を守りながら、遺族のところに帰してあげたい。相葉たち旧ニ中で働く人たちは諦めないで頑張り続けていく――。

 主演をつとめた西田は本作に対し、「最初にルポの本を読ませていただいた時、“これを映像化するというのは大変難しいことだろう”と思いました。ご遺族の方々の心情を考えると、劇化するというのは“果たして正しいのかどうか”という判断には非常に迷いました。ニュースの映像などで冷静な被害状況や数値は伝わってくる中、被災された方々の本当の気持ちや真実は、逆に劇化することによって“事実”とは違う“真実”が引き出せるのではという想いが沸き立ってきました。そういった想いがだんだんと大きくなり、この作品の映画化のオファーに対し“これは映画化しても良いものだろう”と、決心に変わりました」と語っており、「“この作品を作って良かった”と思っています。亡くなられた方々の尊厳を生きている方々が守ろうとする想いを表現したつもりですし、出来上がった作品を観て、そういった“日本人の死生観”を描いたドラマといっても過言ではないと思っています」と言葉を寄せています。

《作品への想い》

■君塚良一監督
未曾有の災害に直面し、立ち向かった人たちの姿を多くの人に伝えたい、災害や被災地への関心を薄れさせてはいけない、その思いを胸にこの映画を作りました。被災者の心の傷みを忘れず、真実をありのままに描きました。あの日、日本で何が起きたのかを世界に伝える機会を与えていただき、感謝します。震災で亡くなった人の尊厳を守った日本人の良心を伝えることが、この映画の役目です。

■石井光太
――原作が映画化されると聞いたときは
正直な話、嬉しいという気持ちとどうなるんだろうという気持ちがありました。君塚さんから誠意を持って事実に基づいてきちんと作りたいという話をいただいたので、それであれば僕の方でも取材などで協力して一緒に作っていきたい、というお話をさせていただきました。
君塚さんも実際に釜石市に行かれて、僕がご紹介した被災者の方やご遺族の方に一緒にお会いしたことがありましたが、僕以上に丁寧にお手紙を出されたりしてとても親交を深めてらっしゃったので、僕とは違う思い入れを持って映画を作られたのだと思います。

――映画をご覧になった感想は
僕の本を読んだだけで作ったのではなく、被災者の方やご遺族の方とお会いになった実体験があったから、それがすごくいい意味でストレートに映像に出ていたのだと思います。映画を観て感じたところはすべてに対して丁寧だということですね。例えば、遺族の方が出棺するときに「ありがとうございます」と言う場面であったり。実際にご遺族の方はそういう態度を取っていたんですけど、感情を描きたくなるところをぐっと我慢して、そういうところを一つ一つものすごく丁寧に描くことによって、感情を露わにするところを映し出すよりももっともっと何倍もご本人たちの思いを伝えていると思いました。そこが一番感動しました。

※2013年3月公開予定
■『遺体 〜明日への十日間〜』

原作:石井光太『遺体 震災、津波の果てに』(新潮社刊)
脚本・監督:君塚良一
出演:西田敏行、緒形直人、勝地 涼、國村 準、酒井若菜、佐藤浩市、佐野史郎、沢村一樹、志田未来、筒井道隆、柳葉敏郎ほか
配給:ファントム・フィルム
制作プロダクション:FILM
製作:フジテレビジョン
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