カリフォルニア出身の日系二世のジャズ・ドラマーがバート・バカラックへの愛を包み隠さず表したアルバム。橋本有津子ら共鳴する仲間を迎え、ルーファス・リードらとの共演で培ったベテランらしい円熟味のある演奏を披露している。

中島香里率いるカルテット、KVQの結成15年を記念してリリースされた2作品のうちの一つ。本作はオリジナル曲のみで構成されたもので、海外を含む多様な情景から着想を得て制作された音楽が並ぶ。アルバム・タイトルはスワヒリ語で“空の一日”を意味。

ヴァイブラフォン奏者の中島香里を中心とするカルテットの結成15周年を祝う一作。コール・ポーターやビリー・ストレイホーンらの珠玉のスタンダードを多数とりあげ、周到なアレンジを施したうえでプレイしている。

PocoshaやTiktokでライバーとしても活動するトランぺッター、YUKIYO SWIFTの2ndアルバム。岡崎崇と石川優の二人の鍵盤奏者とともに、Chageや椎名林檎、イーグルス、アストル・ピアソラまでをジャズ・アレンジで聴かせる。

2022年にノラ・ジョーンズのカヴァーで話題を呼んだ、英・ロンドン出身のシンガーによるアルバム。ソウルやR＆Bを自然に身に着けた豊かな音楽性を武器に、天性のなめらかなヴォイスを活かした楽曲を披露している。

内村イタルらからなるグループが北海道の牧場にある一室でレコーディングしたアルバム。フォークやジャズといった音楽の垣根を超えたサウンドづくりがなされており、大友良英がギターで参加しているのも見逃せない。

インターナショナルな素養を持つドラマーの大村亘、南半球で育ったピアニストのスティーブ・バリー、そして馬頭琴もこなすベーシストの落合康介からなるトリオの2025年発表作。豊かな音楽性の交わりを感じさせるアルバムだ。

英国のサックス、フルート奏者による2025年発表作。自身の楽器演奏はもちろんのこと、フェンダー・ローズや女性ヴォーカル、パーカッションを活かし、オーガニックでありながらスペーシーでもある音像を巧みに創出している。

サックスやピアノのほかに複数の弦楽器奏者も在籍するOVAL SOUND ORCHESTRAのアルバム。タイトルが示唆するとおり、分断が進む時代にあって差異を超えて対話・共鳴し、共存するという世界観を表現している。

TRI4THの伊藤隆郎（ds）と織田祐亮（tp）＋青木ケイタ（brs）による新バンドの1stアルバム。ベース、鍵盤、ギターなど通常必要不可欠な低音楽器や和音楽器を使用せず、管楽器と打楽器のみという徹底的に削ぎ落したバンド・サウンドに挑戦。

図太いテナー・サウンドで人気を博したスタンリー・タレンタインがミルト・ジャクソンらを迎えて録音した1972年の一作。コーネル・デュプリーやビリー・コブハムら個性派揃いのメンツによる演奏はオールスター・セッションと言っても過言ではない。

スタンリー・タレンタインがCTIレーベルに残した未発表音源を集めたアルバム。複数のセッションがもとになっているため、ロン・カーター以外のメンバーは流動的だが、その分さまざまなプレイヤーの音を聴けるともいえる。

豪華キャストをバックに、タレンタインがのびのびとブローしまくる好アルバム。豪快な反面荒削りな面もあるが、それがファンにはたまらないところ。ジョージ・ベンソンのソロも聴きものだ。

ブラジルのエウミール・デオダートによるアレンジを得て、スタンリー・タレンタインのサックスに新たな一面が加えられた1971年のアルバム。CTIらしい浮遊感のあるサウンドも本作の魅力をいっそう際立たせている。

歌心たっぷりにテナーを吹くスタンリー・タレンタインが堪能できる1973年のCTI盤。マーヴィン・ゲイで知られるタイトル曲にはじまり、アイドリス・ムハマッドらの強力リズム・セクションとレーベルの強みである優れたアレンジが聴ける。

サイドメンとして数々の名作に名を連ねているテナー・サックス奏者による2024年録音作。ベン・モンダーやマーク・ジュリアナといった魅力的な面々を迎え、デヴィッド・ボウイにも高く評価されたセンスの良さを発揮している。

チェット・ベイカーが1974年に録音したCTI盤。ドン・セベスキーのアレンジはもちろんのこと、スティーヴ・ガッドやジャック・ディジョネットがドラムを叩いていたり、ポール・デスモンドがサックスを吹いていたりと聴きどころ豊富な一作だ。

ブラジルが誇る二人のプレイヤー、エウミール・デオダートとアイアート・モレイラによる1973年の共演ライヴ。エレピが演出するクロスオーヴァー・サウンドが冴える。フローラ・プリムもヴォーカルで客演。

ブラジルが生んだ名鍵盤奏者が1973年にCTIに遺したアルバム。同レーベルらしいストリングス・アレンジやパーカッションをフィーチャーしたリズム、さらにはキレのよいジョン・トロペイのギター・カッティングなどが印象に残る。

CTIサウンドの象徴的作品にしてデオダートの名を高めた一枚でもある1972年のレコーディング。クラシックをとりあげたクロスオーバー全開の内容で、多彩なアンサンブルに支えられ実験的精神にあふれている。

CTI／Kuduの秀逸なフュージョン・サウンドを支えたデイヴ・マシューズが自己名義でリリースした1976年のアルバム。テンプテーションズやママス＆パパスの楽曲を巧みなアレンジで秀逸なグルーヴィ・サウンドに仕立てる技術はさすが。

常にその時代のポップスを自分のものにして歌う姿勢をつらぬくニーナ・シモンの傑作だ。淡々とした中にも深い人生経験が感じられる歌は、慰めに満ちていて、本作はとりわけ格調が高い。

ソウルフルなハンク・クロフォードのサックスが楽しめる1975年のアルバム。スティーヴ・ガッドをはじめとする共演陣の確かな技術、デイヴ・マシューズによる秀逸なアレンジ、時代を感じさせるダンサブル・サウンドがたまらない。

渋いジャケットが印象的な1972年の「クドゥ」からの作品。マイケル・ジャクソンやギルバート・オサリヴァンのカヴァーなどをソウルフルなサックスで演奏。ドン・セベスキーとボブ・ジェームスによるサポートが大きい。

ブルージィなサックスで定評のあるハンク・クロフォードによる1978年のリーダー作。名曲「素顔のままで」を収録しているほか、アダルトとポップを両立した音作りで飽きのこない内容となっている。