バド・パウエルの全盛期をとらえた1949〜50年録音作。マックス・ローチらと強力なコンボを形成し「テンパス・フュージット」や「チェロキー」を鬼気迫る勢いで弾ききる。後進にも多大な影響を与えたことがうかがえる名盤だ。

フルートという楽器のイメージを覆した、エモーショナルで野性味あふれるジェレミー・スタイグとの1969年の競演盤。エディ・ゴメス、マーティ・モレルの重量級リズム隊のアシストも素晴らしい。リリカルだけではないエヴァンスのプレイが熱い。

一般に知られる耽美的なイメージのビル・エヴァンスに符号するオーケストラとの共演盤。クラウス・オガーマン率いる楽団とともにバッハやショパンの曲を解釈した一作で、ラリー・バンカーやチャック・イスラエル、オーケストラとのアンサンブルも聴きもの。

おなじみエディ・ゴメスにフィリー・ジョーを加えたご機嫌なリズム・セクション。15曲も収録されているが、多数のセッション音源をもとにしたセレクションでアルバムとしての完成度は高い。

エヴァンスのレパートリーとしてはおなじみの楽曲が並ぶが、いずれもハイテンポで料理されスリリングに仕上がっている。彼自身の充実ぶりとチャック、ラリーの好演が光る、ニューヨークにて録音の1965年作品。

『エムパシー』でも共演したシェリー・マンに加え、新人ベーシスト、エディ・ゴメスを迎えたトリオ唯一の作品。セッティングの妙で新鮮に感じられるアルバムとなっている。

ビル・エヴァンスが初めて全曲ソロという形で制作した1968年録音のアルバム。14分以上にもおよぶ「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」など、彼ならではのリリシズム豊かなソロが満載。以降のソロ・ピアノの礎ともいわれる傑作だ。グラミー賞受賞作品。

後にキース・ジャレットとも共演するピーコックとモチアンの二人を加えた1963年版ビル・エヴァンス・トリオによるアルバム。エヴァンスのオリジナル曲こそないものの、お気に入りの「サンタが街にやってくる」などをとりあげている。

左手でアコースティック・ピアノ、右手でエレクトリック・ピアノを弾くエヴァンス。実際には多重録音が中心ながら、新境地を開拓せんとする巨匠の意欲が伝わる画期的な作品で、発表当時は賛否を呼んだ。ジャズ・ボッサの名曲「ザ・ドルフィン」を収録。

ジャケットから“お城のエヴァンス”の名で親しまれるヴァーヴ時代の代表作。1968年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルのステージの模様で、エヴァンスならではの鮮烈な個性とスリリングな展開が魅力だ。

人気ジャズ・ヴォーカリストが1950年代後半に吹き込んだヴァーヴ盤。ハーブ・エリスやレイ・ブラウン、エド・シグペンといったオスカー・ピーターソンゆかりの実力者らを迎え、チャーミングな歌唱を披露している。

ビル・エヴァンス・トリオ最後のベーシストとして知られるマーク・ジョンソンのヴァーヴ移籍第1弾。パット・メセニーにビル・フリゼールという顔合わせは超絶プレイ好きのギター・ファン必聴だ。

サックスのレジェンド、マイケル・ブレッカーが2001年にリリースしたバラード集。超絶技巧ばかりがクローズアップされる彼の実力が遺憾なく発揮された作品で、一部ではジェイムス・テイラーのヴォーカルも聴くことができる。

ヴィーナスレコードの屋台骨を支えるマッシモ・ファラオのトリオがスコット・ハミルトンと若手有望株のリタ・パイエスを迎えて録音した2018年作品。タイトル曲の他にも通をうならせる楽曲がセレクトされている。

抑揚の利いたブロウを聴かせるレスター・ヤングと変幻自在にピアノを操るテディ・ウィルソン。二人の名奏者にジョー・ジョーンズらが加わった折り紙つきのカルテットによる1956年作品。愉悦感ある演奏だ。

大友良英を中心とした5人組バンドのアルバム。2024年に京都・名古屋・東京で行なったライヴから厳選した5曲を収録。ヴィクトル・ハラのカヴァーや、大友のプロジェクトの定番曲「空が映えた2022年11月18日水曜日」などを収めている。

モンゴル民謡とジャズ、フォークを融合させた作風で知られる独在住のシンガー・ソングライター、エンジの4thアルバム。有名ジャズ・アーティストをバンドに迎え、モンゴルとドイツ、二つの文化から形成される自身のアイデンティティに焦点を当てた作品。

キース・ジャレットが2016年7月にオーストリア・ウィーンで行なったソロ・コンサートを収めたライヴ盤。完全即興＋スタンダード1曲という構成。当時の欧州ツアー音源は他にも複数リリースされており、比較して楽しむのも一興だ。

ニューヨークを拠点に活動するトランペッターが、ポルトガルの首都リスボンで録音したリーダー作。ベースとドラムのみを伴ったピアノレス・トリオという編成でオリジナル曲のみをプレイ。全編で自由度の高い演奏を聴くことができる。