オスカー・ピーターソンの“ザ・トリオ”による、1961年シカゴでのライヴ録音。数ある彼の実況盤の中でも指折りの出来を誇る、ピーターソンの入門盤としてもオススメできる一枚だ。

レイ・ブラウンとエド・シグペンを加えた名トリオの作品群の中でも人気の高い1962年録音作。表題曲の極上のスウィング感、さらには名ブルース2曲が取り上げられているのもファンにはたまらない。畢生のオリジナル曲「自由への賛歌」の名演も楽しめる。

オスカー・ピーターソン・トリオによる1964年発表の名盤。タイトルどおりファンのリクエストによって人気の高いスタンダードやボサ・ノヴァ楽曲を取り上げた一枚で、ザ・トリオのヴァーヴでの最終作にあたる。

オスカー・ピーターソンのミュージカル曲集の第1弾は、『マイ・フェア・レディ』のナンバーを収録した1958年録音作。ギターレス・トリオ黎明期の演奏で、ドラムはジーン・ガンマージ。派手過ぎない抑制の聴いたエレガントな仕上がりだ。

カウント・ベイシー・オーケストラの作品群の中でも人気の高い1950年代のヴァーヴ録音盤。“ワンモアタイム”の掛け声で繰り返し演奏される「エイプリル・イン・パリ」は、単純明快なノリの良さでエヴァーグリーンな魅力を放つ。

カウント・ベイシー楽団による1956年の欧州ツアーでのライヴ録音盤。タイトルに反してスウェーデンでのステージだが、そんなことはお構いなしとばかりに、オーケストラの強烈なスウィング感を十二分に堪能できる。サド・ジョーンズらスターも勢ぞろい。

名ジャズ・ギタリストのセンスあふれる演奏をギル・エヴァンスのオーケストラで華麗にコーディネートした作品。ナイロン弦のアコースティック・ギターにソロなど、多彩なバレル節を収録している。

「危険がいっぱい」でも知られるラロ・シフリンがアレンジ・指揮した1964年録音の傑作。トランペット6本にホルンやチューバといった変則オケやケニー・バレルの渋いギターをバックに、ジミー・スミスが豪快なソロを炸裂させる。

サックス奏者のジョー・ヘンダーソンとアントニオ・カルロス・ジョビンのコラボ作として計画されるもジョビンの死によってトリビュート的な意味合いを持った95年の作品。ハービー・ハンコックやジャック・ディジョネットら強力なメンバーが参加して話題に。

比較的ストレートアヘッドなプレイを披露するゲッツが聴ける隠れた人気盤。デビュー間もないチック・コリアのアブストラクトなピアノが良きスパイスとなり、全体の演奏を緊張感あるものにしている。

50年代初期に吹き込まれたゲッツの人気作の一つ。個々の曲が短めで、ともすれば小品集の趣もあるが、次々と印象的なフレーズを繰り出す尽きぬクリエイティヴィティを満喫するには最適なアルバムだ。「ボディ・アンド・ソウル」の優雅なバラードは聴きもの。

1964年のリリース以来、世界中のジャズ・ボッサ・ファンを魅了し続けるバイブル的名盤。独特のメロディに彩られた冒頭曲「イパネマの娘」をはじめ、ゲッツらのプレイ・スタイルが後進に絶大な影響を与えた。

スタン・ゲッツがジョアン・ジルベルトと歴史的名盤を吹き込む前年に制作したボッサ集。ブラジル帰りのチャーリー・バードがかき鳴らすアコースティック・ギターのレイドバック・サウンドがたまらない。

ゲッツとエヴァンスという人気者が交わった1964年作。スウィンギーな楽曲のみならず、「バット・ビューティフル」のようなバラードも秀逸。隠し切れない個性を発揮するエルヴィン・ジョーンズの存在も本作の価値を高めている。

商業的にも成功を収めた90年代の諸作に続き、クラールが2001年に放ったオリジナル作。スタンダード曲を中心とした構成ながら、ボッサに造詣の深いクラウス・オガーマンによるオーケストラ・アレンジがハイライト。

カナダの人気ジャズ・ヴォーカリストが2001年にパリのオリンピア劇場で行なったコンサートを収録。トリオ演奏のほかストリングスを配した豪華なサウンドも聴ける。スタジオ録音の「素顔のままで」にはマイケル・ブレッカーも参加。

女性ジャズ・ヴォーカルの代表格、ダイアナ・クラールが一躍シーンのトップに躍り出る契機となった97年のインパルス盤。クリスチャン・マクブライドらとのインティメィトなプレイが楽しめる充実作。

ビバップの巨人、チャーリー・パーカーが1949年に吹き込んだレジェンダリーなアルバム。冒頭のタイトル曲からストリングス・アンサンブルをバックに圧倒的なサックス・テクニックを披露している。

ビバップの開祖がヴァーヴに吹き込んだ聖典のようなアルバム。タイトル曲とそれに続く「コンファメーション」はバードことチャーリー・パーカーの数ある名演の一つとして燦然と輝き、今日でも愛奏され続けている。

これぞビ・バップともいうべき、1950年のジャズ・クラシック。オリジナルを中心に、ディジーらと当時最先端だったインプロヴィゼーションを展開している。バードとモンクの共演という意味でも貴重な吹き込みだ。

ジャズ・ベースの巨匠が、キューバン・ピアノの実力者であるゴンサロ・ルバルカバらと米南部のマイアミで制作したアルバム。ラテンとはいえバラード主体のため、サックスなどの醸し出すアダルトでゆったりとした雰囲気が魅力だ。

ジャズ至上屈指の美しさを誇るベースとギターのデュオ・アルバム。米中部のミズーリ州を共通項に持つヘイデンとメセニーによる、どこかノスタルジックでハートウォーミングな会話のような演奏が魅力。

ジャズ・サックスの人気者サンボーンがヴァーヴ移籍後に最初に放った2003年の作品。スムース・ジャズの文脈でも語られる一作ながら、彼らしい印象的なブロウは凡百の類似作品を明らかに凌駕している。

ハービー・ハンコックがガーシュウィンの生誕100年を祝して98年に制作した好アルバム。スティーヴィー・ワンダーやジョニ・ミッチェルら錚々たるゲストも加わって数々の名曲に取り組んだもので、グラミー賞にも輝いた。

ロックやポップスを取り上げ、モダン・ジャズ期のそれとは違う新たなスタンダードを提示した90年代の重要作。必ずしも後に定番化した曲を収録していないが、ハービーの本格的アコースティック作として意義深い。