2002年1に発売されると同時に、絶大な人気を集めた日本デビュー盤『ヴォラーレ』に続く2ndアルバム。今作では彼に影響を与えたアメリカのスタンダードを中心にセレクト。エレガントな気品が漂う名演が満載。

多彩な活動を展開するイタリア・ジャズを代表するピアニストが、こよなく愛するブラジルに出向き、11年ぶりにローカルのミュージシャンと録音。優雅なヨーロピアン・ムードと涼風を思わせるブラジルの調べが溶け合い、柔らかなタッチで不思議な美の世界を構築。

ポーランドのヤスクウケが、自国の先達コメダの独自の音楽づくりのプロセスや構成法に自分たちの音を素材として乗せて“再作曲”した、ユニークなトリビュート。リリカルで透明な反復パターンの上でさまざまな表情が移ろいゆく部分と、モダンなビートにソロが絡むサウンドが交替する緻密に多彩な音楽である。

ベニー・グッドマンのバンドで交流のあるズートとピザレリのデュオ集。ズートのテナーのほうがフィーチャーされるが、ピザレリのギター・ソロも少なくない。この編成は地味に思えるかもしれないが、ズートのパワフルな演奏が随所に登場。アドリブの出来も上々だ。

ジャケットのデザインが印象的なソニー・クラークの、というよりブルーノートの傑作。タイトル曲の耳に残るテーマ・メロディーは正にジャズのテーマそのもの。ジャッキー・マクリーンら共演陣も劣らず素晴らしい。

ニューヨークの名門ジャズクラブで吹き込まれた数々の実況録音盤の中でも屈指の一枚。ピアノレスという自由度の高いフォーマットで変幻自在のフレーズを紡ぐサックスの巨人。いつまでも聴いていたくなる珠玉のライヴ。

チェットは78年にフィル・マーコウィッツらを連れて欧州を楽旅、各国で録音も実施した。これはツアー終盤、パリのジャズクラブにおける演奏だ。チェットの調子はよく安定している。ヴォーカル・ナンバーではスキャットも交える。フィルのピアノ・ソロも聴き所だ。

日本人ジャズ・ミュージシャンとの共演でも知られるアコースティック・ベースの名手、77年のセカンド。ギターのラルフ・ターナーとともに、墨絵のような静けさを湛えた幽玄なる世界へと導く。繊細にして流麗。深い余韻を残す思索的なベース・ソロも秀逸。

玄人好みのジャズ・ピアニストがトリオで臨んだ2006年録音作のSACD盤。米国の偉大なる音楽家、バート・バカラックの錚々たる名曲群を取り上げており、リラクシンな雰囲気が味わえる佳作。

ハーモニカの巨匠が、オランダのジャズ・ミュージシャンと行なった74年のライヴ。ハーモニカの他、口笛やギターのユニゾンもフィーチャー、時にユーモアを交えながら、シリアスなジャズから哀切を帯びたノスタルジックなナンバーに至るまで、心温まる演奏を披露。

ヴィーナスレコードの人気歌手がバイロン・ストップリングのトランペットとヴォーカルをフィーチャー。“現代のエラ＆ルイ”と呼ぶにはスタイルが異なるものの、愉悦感たっぷりのセッションが堪能できる。

現代のエラ＆ルイよろしく、ニッキ・パロットとバイロン・ストップリングの二人が歌にトランペットに大活躍する2018年の一作。高音質SACD盤で、二人の息遣いすらも感じ取れる素敵なセッション。

ジャズはもちろん、アコースティック・ミュージック史上でも屈指の美を備えたといえる永遠の名盤。オリジナル曲「処女航海」「ドルフィン・ダンス」がハービーの天才を物語る。マイルス・グループで培われた最強クインテットによる、1965年の録音。

前作『ファンタジー』に続く、ハロルド・メイバーン・トリオのアルバム。本作は、数多くの素晴らしいスタンダード・ソングを作曲した偉大なる作曲家、ハロルド・アーレンの曲を特集した注目作だ。

1930〜40年代にカウント・ベイシー楽団で活躍したトランペット奏者、バック・クレイトンが1959年にパリを訪れた際、ピアノのジャン・クロード・ペルティエやギターのジャン・ボナールなど現地ミュージシャンと共演した作品。スタンダードをじっくり演奏しており味わい深い。ミュートが絶品。

ビ・バップを一般的なスタイルに発展させたバド・パウエル。歴史的偉業をなし遂げた彼の最大のヒット・アルバムが本作だ。永遠のジャズ・スタンダート曲「クレオパトラの夢」などを収録している。1958年録音。

ビル・エヴァンスが初めて全曲ソロという形で制作した1968年録音のアルバム。14分以上にもおよぶ「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」など、彼ならではのリリシズム豊かなソロが満載。以降のソロ・ピアノの礎ともいわれる傑作だ。

ジャケットから“お城のエヴァンス”の名で親しまれるヴァーヴ時代の代表作。1968年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルのステージの模様で、エヴァンスならではの鮮烈な個性とスリリングな展開が魅力だ。

フィル・ウッズのヨーロピアン・リズム・マシーンは活動期間こそ1968年から４年と短かったが、その鮮烈な演奏によって記憶に残るバンドだ。これはピアノがゴードン・ベックに交代後の70年録音作。代表曲「クロマティック・バナナ」をはじめ全員一丸となって疾走する姿が眩しいばかり。

カナダが生んだ歌姫が91年に制作したデビュー作で、とりわけ「calling you」は大きなヒットを記録。90年代から2000年代にかけて隆盛を極める数多の女性ジャズ・ヴォーカル作の先駆けとなった。

マルチ・インストゥルメンタリストとして知られるポーランドの奇才が、同郷ミュージシャンと77年に録音したジャズ・ロックの名盤。ヨーロッパ的な美意識やエスニック・グルーヴを取り込み、電子ヴァイオリン、サックス、ヴォイスを駆使した独創的なサウンドで魅了。

ジョン・コルトレーンのカルテットでプレイしていた時代に録音した、タイナーのバラード＆ブルース集。ピアノ・トリオによるリラックスした演奏ながらも独特の和声感覚を光らせるなど、クリエイティヴな面ものぞかせている。

メアリー・ルー・ウィリアムスはまさに女傑と呼ぶにふさわしいピアニスト。ダイナミックなプレイとブルース・フィーリングがなんといっても魅力だ。これは1953年のロンドン録音。コンガ入りの陽気な演奏が多いが、モンクの「ラウンド・ミッドナイト」は本テイク、別テイクともソロ・ピアノ。

スウェーデンのシンガーがアメリカの人気ビッグバンドとレコーディングした1977年作品。精緻なアレンジを施した色彩感豊かなバンド・サウンドに互する表現力十分のヴォーカルを披露するタイトル曲、力感あふれる4ビートにのって、艶やかに歌う「Happy Again」など快唱。各ソロも一流バンドならではの質。

ビ・バップ時代に大活躍したテナー奏者のトンプソンが、1956年に渡欧した際、フランスで地元のミュージシャンと組んで吹き込んだアルバム。同国を代表するピアニスト、マーシャル・ソラールのプレイなど、リーダー以外の演奏にも聴きごたえ十分なものがある。