ジョシュア・レッドマンのバンド・メンバーとしても活躍するピアニスト / 作曲家で、ブルーノートレコードとの契約が今年はじめに報じられたポール・コーニッシュ(Paul Cornish)が、デビュー・アルバム『You’re Exaggerating!』を8月22日(金)に発表します。アルバムからの先行シングル第1弾「Dinosaur Song」の配信がスタートしています。
ジョシュア・クランブリー(b)と
ジョナサン・ピンソン(ds)とのトリオ編成で録音したアルバムには、コーニッシュが書き下ろした全9曲を収録。スリリングなテーマに惹き込まれる先行シングル「Dinosaur Song」、
ジェフ・パーカー(g)をフィーチャーした「Palindrome」、敬愛する
ジェリ・アレンの「Drummer's Song」からインスピレーションを受けた「Queen Geri」、
ジェイソン・モランのバンドワゴンとバロックが出会ったかのような「Modus Operandi」など、バラエティに富んだ内容となっています。
プロデュースはロサンゼルスのミュージシャン / プロデューサーであるヘンリー・ソロモン。コーニッシュとソロモンは綿密な打ち合わせを重ね、ピアノのダイナミクスとタッチが際立つレコーディングを実現しました。
コーニッシュが生まれ育ったニューストンには独自のジャズ・カルチャーがあり、ブルーノートレコードは、これまでに
ロバート・グラスパーやジェイソン・モラン、
ジェイムズ・フランシーズといった、多くのヒューストン出身ミュージシャンの作品をリリースしています。
今回のデビューについて、コーニッシュは「ブルーノートで発表されたロバート・グラスパーの作品、たとえば『キャンヴァス』や『イン・マイ・エレメント』は、僕が今まさに携わっているブルーノートのレガシーを初めて垣間見せてくれた作品だ。ジェイソン・モランがそのきっかけだったと思う。グラスパーはそこにまったく別の要素を加え、そしてジェイムス(・フランシーズ)がそれをさらに推し進めたんだ。僕ら一人ひとりとともに、それはどんどん進化して、広がっていくんだよ。ヒューストンで僕より先に演奏していたこういう人たちを見て、これからも努力を続けようというモチベーションを持ち続けてきた。その物語の一部になれたことを本当に感謝しているよ」と語っています。
また、ロバート・グラスパーはポールについて「ヒューストンのピアニストたちの伝説的な系譜を継承しながら、独自の道を切り拓いていくのはけっして簡単なことじゃない。でもポールはまさにそれを実践していて、彼ならではの物語を創り上げているんだ。歴史を理解しつつ、同時に歴史に縛られないというのは、現代のジャズ・ミュージシャンがつねに抱える難題だけど、でも今がなければ歴史も成り立たないわけだからね」。ブルーノートの社長
ドン・ウォズは「彼(コーニッシュ)のアルバムをじっくり聴き、プレイのニュアンスに触れてみれば、彼が近年登場した中でもっとも革新的なピアニストの一人であり、その音楽的な特徴はヒューストンのJPモルガン・タワーよりも高いことがわかるでしょう。ブルーノートの伝統は86年前、偉大なジャズ・ピアニストたちによって始まりましたが、コーニッシュはその伝統の次なる継承者となるでしょう」と語っています。
Photo by Piper Ferguson