カワムラユキのDJやスタイルの師匠である、IBIZA島のレジェンドDJ&コンパイラーの故ホセ・パディーヤが世界に存在を知らしめた、90年代から2000年にかけてリリースされた人気コンピレーション『Cafe Del Mar』が45周年の節目ということもあり、選曲スタイル“バレアリック”の当時のムードへの憧れにインスピレーションを得ながら、自身の私小説的な音像や言葉を自由に散りばめた、日本から発信されるバレアリックの現在地への返答とも言うべきアルバムを完成させました。
カワムラユキがイメージするバレアリックとは、ジャンルではなく心に楽園のイメージを連想させるサウンドのことであり、アルバム収録楽曲のバリエーションも様々なジャンルを横断する多彩な作風に。豪華ミュージシャンの参加も多彩さに拍車をかけており、フェスやライヴのステージでDJとバイオリンの即興セッションを共にしてきた斎藤ネコをフィーチャーした「R.I.P. Sunset」、以前にカワムラがソロ・アルバムのプロデュースを手がけた事もあるコールドフィートのWatusiがベースと、i-depやT-GROOVEとのセッションや共作でも知られるGeorge Kanoがドラム&パーカッションなどで参加した「Ra」。盟友であるHideo KobayashiがCo-Produceとして参画し、韓国の人気DJのCityboy From SeoulことJun Youngがギターで参加、冨田ラボ作品への参加やWONKの江崎文武プロデュース楽曲などを歌唱してきた沖縄在住の歌姫、Naz(山田なづ)をヴォーカルに迎えたホセ・パディーヤの名曲「Adios Ayer」のカヴァー。90年代にアメリカでデビューを経て2023年に再始動したCOLOR FILTERをフィーチャーしたサイケデリックな「Magic」など、カワムラ自身がDJをしながら旅をする中で交流を深めてきたアーティスト達と、自然発生的に生まれたセッションがバランスよくコンパイルされています。