辻一郎のソロ・ユニット“
Dissecting Table”が、アルバム『Disarray』を2月13日(月)にデジタル配信、レギュラーエディションのCDRを13枚限定及び、スペシャルエディションのCDRを2枚限定でリリースします。スペシャルエディションのCDジャケットは、辻による手作りアートワークです。
辻一郎は1966年生まれ。東京で86年から“Dissecting Table”という名義でノイズ・インダストリアル・ミュージックの制作を開始し、98年に故郷の広島に戻り音楽活動を展開。おもに自主レーベル「UPD organization」とヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきました。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していましたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行なうようになり、現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作しています。
開発したシンセサイザーシステムは、主に、コンピュータ、universal serial bus(USB)接続デバイス、ラインセレクタ、フィルタ及び、ミキサーで構成されています。フィルタは、2つの複合型シンセサイザー、1つのバイカッド回路、1つのオールパスフィルタ、4つの状態変数フィルタ、2つの白色化フィルタを備えています。そのため、曲に応じて6つのフィルタを選ぶことができます。2つの複合型シンセサイザーと4つの状態変数フィルタの回路構成は異なります。複合型シンセサイザーは、ウィーンブリッジ発振器を用いた入力信号の変調、乗算器を用いた振幅変調及び、各変調信号を用いた音響合成を行うことができます。コンピュータとUSB接続デバイスをUSBインターフェイスで接続してコンピュータシンセサイザーが形成されます。複合型シンセサイザーは、ラインセレクタを経由してコンピュータシンセサイザーと接続することで形成されます。
本作は、実験的なノイズミュージックを作るため、このシステムのフィルタを変更しました。前作よりフィルタの選択肢が増えて音色が豊かになり、色々な曲を作ることができました。初期のシステムは、コンピュータシンセサイザーのみを用いたシンプルな装置でした。現在は、このシステムのハードウェアの開発を行っています。写真は、初期のシステムと状態変数フィルタです。